黒木瞳、5年費やした初監督作「嫌な女」完成に感無量「きょうは奇跡の日」
2016年6月16日 07:00

[映画.com ニュース] 女優・黒木瞳の初映画監督作品「嫌な女」の完成披露試写会が6月15日、東京・丸の内ピカデリーで行われた。黒木は主演の吉田羊、木村佳乃とともに舞台挨拶。原作小説の映画化権を自ら取得したのが5年前とあって、「きょうは奇跡の日です。2人の女優に出演してもらい、ロケ場所が決まり、撮影が1日1日とでき、いろんな丸をひとつずつ積み上げてこの日を迎えられました」と感無量の面持ちで話した。
特に、吉田と木村に対しては「女優魂、根性を見せてもらい、真摯な姿勢に背中を押された。感謝以外にありません。この場を借りてお礼を言いたい」と最敬礼。映画初主演の吉田は、「まだまだ未熟で、瞳監督と佳乃ちゃんに引っ張られて何とかゴールすることができました」、映画デビューが黒木主演の「失楽園」だった木村も、「当時は恐れ多くて口もきけなかった。大先輩で、第一線を走り続けている瞳さんに、演技をつけてもらい光栄でした」と晴れやかな表情で振り返った。
弁護士として堅実な人生を送る徹子(吉田)と、天才的な詐欺師の才能を発揮し男を翻ろうする夏子(木村)。対照的ないとこ同士の2人が久しぶりに再会したことによって、本音をぶつけ合っていく人間ドラマだ。
クライマックスでは2人の大ゲンカのシーンがあり、吉田は「佳乃ちゃんが私を叩くのが、まあ、うまいこと」とジョーク交じりに絶賛。木村も「叩いた後に、ガッと振り返った時の羊ちゃんの顔が怖かった」と呼応。ただ、髪の毛1本の動きにもこだわる黒木の粘りには、「瞳さん、しつこいなあと思った」と声をそろえ、笑い合った。
そんなやり取りを楽しそうに見ていた黒木は、「今度は2人と女優同士としてやりたい。芝居のキャッチボールをすれば、すごく刺激的だろうと思う」と新たな意欲。対する吉田は、「瞳監督ともう1度。思いもよらない芝居を引き出してもらったので、可能性が広がる期待があります。私は2でも3でもかまいません」と続編を期待していた。
「嫌な女」は6月25日から全国で公開される。
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