ジョディ・フォスター、名匠に学んだ女優としての経験値を監督作「マネーモンスター」に還元
2016年6月9日 17:30

[映画.com ニュース] ジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツが共演した、リアルタイムサスペンス「マネーモンスター」のメガホンをとったオスカー女優ジョディ・フォスターが来日し、映画.comのインタビューに応じた。
「ハウス・オブ・カード 野望の階段」「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」といったドラマの演出も手がけるフォスターの長編映画監督4作目となる本作は、司会者リー・ゲイツ(クルーニー)の軽快なトークと財テク情報で高視聴率を稼いでいるテレビ番組「マネーモンスター」の生放送中に起きた立てこもり事件のてん末を描く。ロバーツは、人質に取られたゲイツを救おうとする番組ディレクター・パティを演じる。
2歳のときからショービズ界で生きるフォスターは「小さいときから、とにかく映画の監督をやりたかった」と語る。「カメラや音の使い方、編集技術、色彩の選択、カメラワークといったものに興味があった。脚本を手にしたときに自分がすごく心を動かされる。この経験をそのままスクリーンに(投影し)、観客にどうやったら届けられるのか(考えること)ほどワクワクすることはないわ」と笑顔を見せる。
マーティン・スコセッシ、ロバート・ゼメキス、デビッド・フィンチャー、ロマン・ポランスキーら、女優として名匠たちと組んできたが、監督としての自身の強みは「綿密な準備」にあるという。「考え抜いてすべてを計画し、各部のスタッフと密にコラボレーションする。そうすることで、自分が監督としてやりたいことを皆が知っている状態で現場の撮影が始められるの。皆が準備万端よね、と確認したところでいざ撮影、となるからとても早く進められるのよ」。
言葉の端々に監督業への熱意をにじませるフォスターだが、本作は「今まで製作した作品の中で1番大変だった」と振り返る。「リアルタイムでひとつの出来事が起きていくのを(テレビ)放送用のカメラ4台と映画用のカメラで撮ったし、(パティのいる)コントロールルームがとても狭いの。撮影期間も47日しかなくて、何度も繰り返し撮ることはできなかったわ。この映画を計画することは不可能に近いようなものだったし、撮影を終えても何千フィートものフッテージ(映像素材)を編集しなければならなかった。本当に大きな仕事だったのは間違いないし、よっぽど計画性を持った人でないと作れなかったわね。次回作は逆に、より自由に作れる作品をやりたいと思っているの」と今後の展望を交えつつ語った。
本作の特徴のひとつに、ジャックされたスタジオとコントロールルームという別空間にいるゲイツとパティが、モニター映像や音声のみで意思疎通を図って状況を打破しようとする部分が挙げられるが、フォスターによれば「人との親密さがデバイスを通してはかられている」現代世界を象徴しているという。「実際に顔を合わせるわけじゃない2人の物語を伝えるためには、この2人(クルーニーとロバーツ)の力が必要だと思った。普段から仲のよい友達だからかもしれないけど、監督の私にもわからない化学反応があったの」と監督や製作業も行うクルーニーと、気心の知れたロバーツに信頼を示した。
作品の見どころは「一般の人が楽しめるような早いスピードのエンタテインメントにはしたかったけれど、同時に観客の参加も求める作品だと思っているの。同時に色々なことが起きているから、体験しながら理解していかないといけない。キャラクターのこともね」と“ライブ感”を強調した。
「マネーモンスター」は、6月10日から全国公開。
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