河瀬直美監督“生きるよろこび”賞受賞を樹木希林らが祝福 日仏合作の新作は来年公開
2016年6月1日 13:30

[映画.com ニュース] 国際的な評価を得ている映画作家の河瀬直美監督が5月31日、第8回シャンパーニュ「ジョワ・ド・ヴィーヴル(生きるよろこび)」賞を受賞し、都内で開催された授賞式に出席。前作「あん」に出演した樹木希林、永瀬正敏、浅田美代子ら170人のゲストが祝福に訪れた。
映画監督として初めての受賞者となった河瀬監督は、5月22日に閉幕した第69回カンヌ国際映画祭で短編コンペティション部門とシネ・ファンダシオン(学生映画)部門の審査委員長を務めた足でシャンパーニュを訪問。受賞スピーチでは、現地でのワインセラー巡りの報告を交えながら、「映画づくりを通して、一筋縄ではいかないことをひとつひとつ丁寧につくり上げていく作業こそが、私にとっての生きる喜び」と語った。さらに育ての親である祖母・宇乃さんの映像を上映し、「祖母から受け継いだ目に見えないもの、その生きるよろこびを次に私が息子に伝えたい」と結んだ。
また、2010年からエグゼクティブディレクターを務めている「なら国際映画祭」が市の助成金カットで存続が危ぶまれていたが、多くの支援の声を受け、9月17~22日に開催されることが正式に決定。「次の世代が日本に誇りを持って活動できるように続けていきたい」と意気込む河瀬監督は、パートナーシップが決まったカンヌのシネ・フォンダシオン部門の受賞者たちを同映画祭に招き、日本の学生たちとの交流を実現させる。さらに、学生映画部門「NARA-wave」にセレクトされた作品は、英語字幕を付け来年のシネ・フォンダシオン部門に応募するという。

同国際映画祭が若手のフィルムメーカーにとって「否定するだけでなくお互いに認め合いながら、そこに生まれる情熱を形にする練習の場、出会いの場になれば」と後進の育成に力を注ぐ河瀬監督だが、自身の次回作の準備も進行中。すでに脚本は完成しているといい、同映画祭閉幕後に奈良で撮影を開始。日仏合作で、来年の公開を予定していると明かした。
ジョワ・ド・ヴィーヴル(Joie de Vivre)とはフランス語で「生きるよろこび」の意味。シャンパンの産地である仏シャンパーニュに関する知識の普及を目的としたシャンパーニュ委員会が外国事務所を設けている国で開催している賞で、国を超えて生きるよろこびを分かち合う「シャンパーニュの精神」のシンボルとなる人物、画期的な独自性で国際的な共感を得て活躍している人物に贈られる。
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