ピーター・バラカン、大量虐殺の実態を世界に報じた裁判放送描く「アイヒマン・ショー」に衝撃
2016年5月13日 17:00

[映画.com ニュース] ナチス親衛隊将校アドルフ・アイヒマンが出廷した裁判のテレビ放送に挑んだ男たちを描く「アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち」(公開中)の特別トークショーが5月12日、都内の劇場で行われ、ブロードキャスターのピーター・バラカンとフリーライターの武田砂鉄氏が出席した。
1961年のイスラエル・エルサレム。テレビプロデューサーのミルトン・フルックマン(マーティン・フリーマン)とドキュメンタリー監督レオ・フルヴィッツ(アンソニー・ラパリア)は、アイヒマンの裁判をテレビ放送し、ホロコースト(大量虐殺)の実態を全世界に報じようと奮闘する。「アンコール!!」(12)のポール・アンドリュー・ウィリアムズ監督がメガホンをとった。
バラカンは「裁判がこのように中継され、それによってホロコーストが広く知られるようになったことを、この映画で初めて知りました。50数年前は、ホロコーストがほとんど認知されていなかった。あの裁判がなければどうなっていたか」と映画から受けた衝撃を語る。その言葉を受け、武田氏も「ある1つの史実というものを映像で色々な国に知らせていくという走りだった。これ(裁判放送)がもたらしたインパクトは相当大きかった」とうなずいていた。
作品の魅力については、バラカンは「すごく素朴な作品。60年のテレビ界を意識した作りで、それがすごく効果的だった。(フルヴィッツ)監督が劇中で何度も言うセリフなのですが、『ファシズムは誰にでも起こりうる』。見終わって、確かにそうだなと思いました」と述べた。一方、武田氏はゴーストライター騒動で日本中の注目を集めた佐村河内守を題材にしたドキュメンタリー映画「FAKE」(6月4日公開)と本作の類似性を挙げながら「そこ(特定の対象にカメラを向けること)から見えてくる情報って、自分たちの持っていた情報の向こう岸から迫ってくるもの。そのショットを見るだけで、自分に欠落していた部分が映像によって充足されていく。そういう体験をできるのが本作の魅力」と評した。
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