オスカー獲得のディカプリオ&イニャリトゥ&ルベツキが「レヴェナント」を語りつくす特別映像
2016年3月3日 17:00
[映画.com ニュース] 第88回アカデミー賞で監督賞、主演男優賞、撮影賞の3部門に輝いた「レヴェナント 蘇えりし者」の特別映像が、公開された。オスカーに輝いたアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督、レオナルド・ディカプリオ、エマニュエル・ルベツキ撮影監督が、それぞれ作品の魅力を語っている。
19世紀、アメリカ西部の未開拓地が舞台。狩猟中に熊に襲われ、ひん死の重傷を負ったハンターのヒュー・グラス(ディカプリオ)は、グラスを足手まといに感じたメンバーの1人、ジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)に置き去りにされるだけでなく、先住民族の妻との間に生まれた息子ホーク(フォレスト・グッドラック)の命までも奪われてしまう。復しゅうを心に誓ったグラスは、先住民族に追われながらも不屈の闘志で生き延びようとする。
格闘シーンの撮影では鼻を骨折し、裸で氷点下5度のなか川に飛び込むなど過酷な撮影に体当たりで挑み、最強の父親を演じきったディカプリオは「単なる旅ではなく、彼(グラス)は一生分の感情を経験する。これまで(自分の)考えを多くの言葉ではっきり伝えるキャラクターを演じてきたから、この役を演じることはユニークなチャレンジだった」と振り返る。映像にはイニャリトゥ監督と談笑する姿も収められているが、「アレハンドロは何よりも詩的な美しさを追求していた。人生に立ちはだかる不条理に打ち勝つ精神の美しさだ」とこだわりについて言及している。
イニャリトゥ監督は「父と息子の愛を最も丁寧に描いた。本作の核となるからだ」と明かす。「美しいほどに残酷で、恐ろしいほどに詩的で壮大な物語だ。表面的にはサバイバルを描いているが、裏には隠された過去がある。グラスは過去に家族を失っている。彼の身に起きた悲劇を壮大なスケールで描くと同時に、彼の精神を映し出している」と作品に込めた思いを語っている。
本作のテーマを「生の肯定だ。グラスは常に生存をかけて闘っている」と述べたルベツキは、グラスの精神を描き出す上で「地形もキャラクターを知る大切な要素だ。外界での旅だけでなく、心の変化も表している」と持論を語る。本作では自然光のみを使った9カ月間のロケ撮影を敢行。ディカプリオも「全く新しい感覚だ。あまりの臨場感に息をのむだろう」とオスカー3年連続受賞の快挙を成し遂げたルベツキの仕事ぶりを絶賛している。
「レヴェナント 蘇えりし者」はイニャリトゥ監督の「バベル」(06)にも楽曲を提供している坂本龍一が音楽を手がけた。4月22日から全国公開。
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