阿部寛&天海祐希、初監督・遊川和彦の演出術に最敬礼
2016年2月24日 05:00

[映画.com ニュース] 「家政婦のミタ」や「偽装の夫婦」など数々の話題作を手掛けてきた脚本家・遊川和彦の映画監督デビュー作「恋妻家宮本」がこのほど、千葉県内のロケセットでクランクインした。夫婦役で共演する阿部寛と天海祐希は、初メガホンとは思えない遊川監督の演出術に最敬礼だ。
オリジナルにこだわり続けてきた遊川監督が、「恋妻家宮本」の題材に選んだのは家族小説の名手・重松清氏の「ファミレス」(日本経済新聞出版社刊)。子どもが独り立ちして2人きりになった夫婦が、50代からの夫婦生活にどう向き合うのかをコミカルかつハートフルに描く。
この日は、原作のタイトルでもある「ファミレス」を、セットで完全に再現。2人が演じる宮本夫妻が、ファミレスを訪れるという映画の冒頭となるシーンを撮影した。多様なメニューに迷う優柔不断な夫・陽平(阿部)と、それを無表情で見つめる妻・美代子(天海)。過去の遊川作品を彷彿(ほうふつ)とさせる謎めいた雰囲気を醸し出しながらも、陽平の個性的なキャラクターが加味され、これから始まる夫婦の物語に期待を抱かせるシーンとなった。
阿部は、遊川監督に対して「脚本を書いていらっしゃることもあり、誰よりもその役とセリフをわかっている方。僕が演じたらやりすぎちゃうところも、監督の解釈で的確に演出をしてくださるので、この現場で迷うことは何もない」と最敬礼。さらに、「昨今の映画やドラマでは役者の演技は大きいところしか演出されないことが多いのですが、遊川監督は細部まできっちり、100%演技の面倒を見てくれるので、非常に新鮮だし楽しんでやらせてもらっています」と充実した面持ちを浮かべる。

一方の天海も「阿部さんと遊川さんを見ていると、すごく理想的な関係だなと思います。阿部さんは器が大きくて、純粋かつ素直に監督の指示を聞いて自分なりに消化してお芝居に生かされる方ですし、遊川監督はこうやって欲しいっていうのを脚本家ならではの言葉で的確に伝えるので。遊川さん、監督向いてるかもな~なんて思ったりして」と現場の活況を語っている。
2人から全幅の信頼を寄せられている遊川監督は、この日の撮影について「ファミレスって人生と一緒ですよね。メニューから選んでも選びきれなくて、選んでも結局自信がないというか。でも前に進まなきゃいけないというのもあって。なので、この作品は『ファミレス』のシーンで始めなきゃという思いがありました」と説明。キャスティングに関しても「5~6年前だったら、この2人の夫婦役なんてリアリティがないんじゃないかと思いましたけれども、2人とも年齢を重ねて、そういう2人が夫婦として一生懸命頑張って、でも少し疲れたりして、順風満帆ではなくいろいろな苦労をしてきて、これからどうなるんだろうという不安なんかも隠しもせずやっていこうという姿にリアリティが出てきて『あ、この夫婦なら共感できる』と思えるようになりました」と話した。
撮影は、3月上旬にクランクアップを予定。2017年1月から全国で公開。
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