永瀬正敏、恩師・相米慎二監督最後の言葉を「KANO」で“教え子”たちに伝える
2016年2月21日 17:09

[映画.com ニュース]俳優の永瀬正敏が2月21日、香川県で開催中の「さぬき映画祭2016」で上映された「KANO 1931海の向こうの甲子園」の舞台挨拶に駆けつけた。永瀬は、「10回目の映画祭、おめでとうございます!」と力強く祝福した。
ウェイ・ダーション監督が製作、「セデック・バレ」に出演した俳優マー・ジーシアンが初監督を務めた「KANO 1931海の向こうの甲子園」は、日本統治下の1931年、台湾代表として全国高校野球選手権に出場し、準優勝を果たした嘉義農林学校野球部の実話を描いた台湾映画。主演の永瀬は、野球部監督の近藤に息吹を注ぎ込み、中華圏で最も権威ある映画賞のひとつとされる「第51回金馬奨」で、日本人として初めて主演男優賞候補に名を連ねた。
永瀬は、高松・イオンシネマ高松東での舞台挨拶に立ったが、この日のMCは瀬々敬久監督作「64 ロクヨン」(前編は5月7日公開)で夫婦役として共演した小橋めぐみ。それだけに、「奥さんが司会っていうのは、妙な緊張感がある」と苦笑いを浮かべ、客席を喜ばせた。
前日に台湾から帰国したばかりだといい、「台湾で街を歩いていると『監督!』って呼ばれるんです。僕の名前は知らなくても呼んでもらえて、感謝しかないですよ」とニッコリ。野球部員に扮した“教え子”たちの話題になると「かわいくてしょうがない」と目を細め、「撮影中に役者になって30年を迎えたんです。僕もお芝居の経験がなく、相米慎二監督の作品に出た。彼らも役者経験はないなかで、日本のセリフを覚え、当時の台湾の言葉も覚えた。あの頑張る姿はたまらんですよ」と絶賛した。
劇中、決勝戦を終えベンチを出て選手たちに声をかけるシーンは脚本では長いセリフが用意されていたそうで、「マー監督と『ここは一言なんじゃないかな』と話していて、お互いに考えようと宿題にしていたんです」。本番に向けて緊張感を高めていくなかで、デビュー作「ションベン・ライダー」(1983)に抜てきしてくれた恩師・相米監督にかけられた言葉に思い至ったという。
「デビュー作の相米監督はとても厳しい人で、永瀬と呼ばれたことがなかったんです。『ゴミ』とか『おい』とか、それくらい厳しかった。その後、亡くなるまでずっと大好きだったんですが、最後に『おまえたち、良くやってくれたな』って言ってくださって。それを思い出して、シンプルな言葉が降りてきました。(野球部の)子どもたちにも感じてほしいと思って。それに、相米さんに向けての言葉でもある。マー監督も、『それしかない!』って言ってくれました」。
永瀬の熱いメッセージに、満員の客席からは拍手喝さいがおくられた。さぬき映画祭2016は、21日に閉幕する。
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