澤穂希、「スティーブ・ジョブズ」は負の部分も見せてくれたから面白い!
2016年2月4日 18:05
[映画.com ニュース] 第88回アカデミー賞で2部門(主演男優賞・助演女優賞)にノミネートされた映画「スティーブ・ジョブズ」の大学生を対象にした試写会イベントが2月4日、都内で開催された。ゲストとして昨年末に現役を引退した元サッカー女子日本代表選手の澤穂希氏が登壇し、大学生約60人に“リーダー論”を語った。
映画は、84年のMacintosh、88年のNeXT Cube、98年のiMacという3つの新作発表会のプレゼンテーション直前40分間の舞台裏を中心に、アップル社の創始者であるスティーブ・ジョブズ氏の知られざる内面を描く。ジョブズ氏のトレードマークである黒いセーターとジーンズ姿で登場した澤氏は、蝋人形館「マダム・タッソー東京」から持ち込まれたジョブズ氏の等身大フィギュアに興味津々。映画の感想を「ジョブズさんの意志の強さやこだわり、信念を貫く姿が印象的でした」と語った。
「度胸の付け方は?」「もしサッカーをしていなかったら?」「結婚の決め手は?」など学生からは次々と質問が飛び、澤氏は真剣に回答。「ご自身の人生に関する映画が作られたら? 本作のようにあまり掘り起こされたくない部分も描かれてしまう可能性もあると思うのですが」という問いには、「そういう機会があれば光栄なこと」とした上で、「嫌な部分もすべて受け入れることで映画は成り立つ。人生は、誰にでも嫌な時もあればいい時もある。むしろそういうものもあった方が面白い」と、本作と同じく包み隠さず描いてほしいと述べた。
成功している人の共通点として、「日頃の努力」「こだわりの強さ」「ONとOFFがはっきりしている」を挙げた澤氏は、「リーダーは口だけじゃなく、背中で見せること」が必要だと語る。「負けると思ったものには最初から挑まない。足が速い選手には勝てませんが、その選手にない自分の長所を磨きます」「壁にぶつかったらすべて受け入れる。必ず時間が解決してくれます。そして、自分だけの中に閉じ込めないこと」と成功の秘けつを伝授。ワールドカップ優勝、女子世界年間最優秀選手に選出など数々の偉業を成し遂げてきた澤氏の言葉に、学生たちは耳を傾けた。
「iPhoneとiPadを日頃から使っていて、iPadにはワールドカップの映像や引退の際の仲間からのメッセージが入っている。いつ見てもうるうるしますね」と明かした澤氏は、MacBookを使って「夢はみるものではなく、叶えるもの」と学生たちに応援メッセージを送った。
「スティーブ・ジョブズ」は、「スラムドッグ$ミリオネア」(08)のオスカー監督、ダニー・ボイル監督がメガホン。マイケル・ファスベンダー、ケイト・ウィンスレットらが出演した。2月12日から全国公開。
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