J・ギレンホール&監督が語る、「ナイトクローラー」は究極のサクセスストーリー!
2016年2月2日 17:03

[映画.com ニュース] 野望にまみれた報道専門パパラッチがのし上がっていくさまを描く「ナイトクローラー」の監督・脚本を手がけたダン・ギルロイ監督とジェイク・ギレンホールほかキャスト陣が、作品の魅力を語った。
12キロも体重を落とし、主人公ルイスを怪演したギレンホールは「このキャラクターは、これまで演じてきた人物とはまったく異なっていた。準備には2カ月かけたよ。体重を落として、夜更かしをして日中に眠った」と生活リズムをルイスと合わせることで、役を近づけたと明かす。内面に関しては、「ルー(ルイス)は人々の絶望を食いものにする。その結果として、彼は人々の感情に無関心なんだ。ルーは時代の産物だと僕は思う。情報への欲求、成功というアイデアへの欲求、我々が価値あるものとするアイデアへの欲求、そうしたものが彼を生み出したんだ」と考察する。
本作では製作も務めており、より外側の視点から作品を見ることに腐心したそうで「ダンと僕が、制作中マントラのように唱えていたのは『観客がルーに共感できるように』ということだった。動揺しながらも、彼を応援してほしかったんだ」と語る。「落下の王国」(06)などの脚本で知られるギルロイ監督にとっては長編デビュー作となるが、「ダンは怖いもの知らずで、恐ろしい場所に大胆に踏み込んでいく。並外れた才能の持ち主だ」と最敬礼だ。
ギルロイ監督もまた「ジェイクにとってこの役柄は、文字通り“変身”だったと思う」と変ぼうぶりを称えながら、「ジェイクは脚本に並外れた敬意を払ってくれた。セリフを一言も変えなかったよ」と感謝の気持ちを語る。本作のテーマを「これは究極のサクセスストーリーだ」というギレンホールの意見に同調し、「僕らは登場人物に道徳的レッテルを貼ることを避けようと努めた。観客自身に判断を委ねたかったから、象徴主義的なアプローチを取ったんだ。ルイスが野生動物であり、そのドキュメンタリーを撮影しているかのようにね。たとえそれがおぞましい光景だとしても、ありのまま世界を見せるだけだから、道徳的判断は介在しない。それが僕たちがとらえようとした要素だ」と解説した。
ルイスの成長を手助けすることになる女性ディレクター・ニーナを演じたレネ・ルッソは、「映画が描いているのは、ジャーナリズムの問題だけではなく、誰しもが抱える問題なの。自らの探求、欲求のためにどこまで踏み込むか。誰もが道徳上の一線と格闘している。(映画の)その点が私はとても気に入ったの。完成して本当にうれしく思う」と夫であるギルロイ監督をねぎらった。
ルイスの部下リックに扮したリズ・アーメッドは、脚本との出合いを「強烈だったよ」と振り返る。「全体が1つの長いシーンで、ほとんど散文のようだった。あるページには、たった4つの文章が、特大の太字のフォントで書かれていたりする。だから脚本を読むだけで、監督のビジョンが伝わってくるんだ」。役作りにおいては、実際にパパラッチたちと行動を共にして多くを学んだと語った。
「ナイトクローラー」は、2月3日からTSUTAYA先行でレンタル開始。ブルーレイ&DVDの発売は2月19日。

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