2015年の映画興収は2171億円、アニメ、シリーズものの強さ変わらず00年以降歴代2位
2016年1月26日 16:30

[映画.com ニュース]日本映画製作者連盟(映連)の新年記者発表が1月26日、都内のホテルで行われ、2015年の興行収入が2171億1900万円、観客動員が1億6663万人だったことが発表された。
興収は前年比104.9%(100億8500万円増)で、興収発表となった2000年降では2番目の好成績。全体の公開本数は1136本と3年連続の1000本超えとなり、邦画と洋画の構成比は55.4%対44.6%と、2012年から続く洋画の盛り返し傾向が続いた。
邦画では「映画妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!」の78億円がトップで、2位の「バケモノの子」(58億5000万円)などトップ10のうちアニメが6本を占めた。トップテンに8本がランク入りした東宝の島谷能成社長は、「昨年は8本のアニメを配給し、弊社の興収の40%弱だった。アニメ、実写というカテゴリー分けをする時代ではなく、表現方法が違うだけでお客さんに喜んでもらう作品を作ってきた結果」と持論を展開した。
洋画も「ジュラシック・ワールド」(95億3000万円)、「ベイマックス」(91億8000万円)とシリーズもの、アニメが強さを発揮。平均入場料金が1303円と、IMAXや4DXなど追加料金が発生する作品に人気が集まったことも、興収を押し上げる結果となったといえる。
娯楽やメディアが多様化する中で、興収が上がり続けていることに対し、岡田裕介会長は「七不思議だと思っている」と苦笑い。その上で「テレビが停滞して、ネットに移っているというもっぱらの噂だが、作品が面白かったというのももちろん、お客さんの有料アレルギーがなくなってきたのかもしれない。もう1年見させていただきたいが、我々も手綱を引き締める必要がある」と分析した。
一方の観客動員は、前年比103.4%(551万4000人増)の微増。4年連続で上昇を続けているものの、映連がかねて掲げている2億人の大台までは程遠く、「映画館へ行こう!」実行委員会の委員長も務める岡田会長は、「毎月1日のツイートデーなどいろいろなキャンペーンを行っているが、浸透しきれていない。まだまだ努力が足りない」とさらなる施策を講じることを誓った。
また、映像配信サービスの増加に伴い、DVDなどのソフト売り上げは前年比88.7%と減少が続く。それでも、昨年12月1日に本格サービスを開始した日本初のコンテンツホルダー直営映像配信サービス「bonobo(ボノボ)」に加盟各社ともコンテンツを提供しており、東映の多田憲之社長は「新しいビジネスチャンスととらえている」、松竹の迫本淳一社長も「DVDとして手元に置いておきたいというものはなくならないが、生産と消費が直結した革命だと思う」と積極的に推進していく意向を示した。
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