今だから話せる!漂流経験者・辛坊治郎、肌で感じた“鯨の恐怖”語る
2016年1月13日 19:30

[映画.com ニュース] 「マイティ・ソー」シリーズのクリス・ヘムズワースとオスカー監督ロン・ハワードがタッグを組んだ「白鯨との闘い」の公開記念イベントが1月12日、大阪市内で行われ、かつて航海中に鯨と思われる生物に船を沈められた経験を持つニュースキャスターの辛坊治郎氏が登壇した。
ハーマン・メルビル氏の名著「白鯨」に隠された真実を描いた、ナサニエル・フィルブリック氏によるノンフィクション小説を実写化。捕鯨業全盛期の1819年。海上で体長30メートルもの巨大鯨に襲われた捕鯨船の乗組員たちの過酷な漂流生活をスリリングに描く。
13年に起きた事故ではヨットが沈没し、太平洋上を漂流した辛坊氏は当時を回想し「夜中に熟睡していたら大きな音が聞こえて、続いて乗組員の『浸水!』の声が聞こえました。気がつけば床は水びたしで、排水ポンプをフル稼働しても水位が上がってくる。もう15分と船はもたないということがすぐにわかりました」と生々しい記憶を語る。さらに、今だから話せる当時の心理状態として「『乗組員を見捨てればお前は助かるぞ』という悪魔の声がはっきりと聞こえたんですよ。正直、あの極限状態ではその通りだと思いました」と告白。実際は乗組員と協力し逃げ延びたが、劇中の登場人物と同じく精神面でも苦闘を強いられたようだ。
そんな辛坊氏は、実体験を元に映画のリアリティを強調。「想像してみてください。自分がもしその場にいたら。私はまだ宮城県沖1200キロでしたが、しかし周囲に陸はもちろん、船の姿もないんですよ。本当に恐ろしかった。映画はさらに絶望的な太平洋のど真ん中5000キロですからね。GPSも通信手段もないあの時代、私よりもはるかに絶望的な状況にあって、船乗りたちはどんな決断を下したのか? ぜひとも映画館の迫力あるスクリーンで鑑賞してください」と語りかけた。
肌で感じた恐怖を切々と語った辛坊氏だが、前回の航海で事故にあったのは「鯨ベーコンを食べた」ことが原因ではないかと語り、「今回は一切鯨を(食べるのを)絶っていますからね。恨みを買うことはありません。準備は万端ですよ」と最後は強気な発言で“再挑戦”をにおわせた。
「白鯨との闘い」は、ベンジャミン・ウォーカー、キリアン・マーフィ、ブレンダン・グリーソン、トム・ホランド、ベン・ウィショーらが脇を固める。1月16日から全国公開。
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