動物ドキュメンタリー「シーズンズ」、野生生物の生態を利用した撮影術が明らかに!
2016年1月2日 20:00
[映画.com ニュース] 動物の視点から氷河期以後の地球の歩みを映し出すネイチャードキュメンタリー「シーズンズ 2万年の地球旅行」で用いられた撮影術が、このほど明らかになった。野生生物の生態をストーリー性をもって描くため、スペシャリストたちが動物の習性に基づいた綿密な行動予測を立て、撮影に臨んでいる。
これまでのネイチャードキュメンタリーでは、気まぐれな動物たちの偶発的な行動を期待し、カメラを回し続けることが多かったという。しかし今作では、習性や生態を知り尽くした専門家たちが動物の動きを予測し、製作陣が意図した画を実現させるための撮影タイミング、カメラ位置、アングルなどを決定していった。
予測には高度な専門知識を要するゆえ、世界各地で撮影を敢行するクルーの中には、大学教授に比肩する専門家がカメラマンとして活躍している例も。さらに、動物行動学者や生態学者らもスタッフとして参加しており、撮影地で細やかなアドバイスを受けられる環境を整えた結果、監督が伝えたいメッセージにあわせた“動物たちのストーリー”を切り取ることに成功した。
「動物の習性や生態を利用する」というと、日本では北海道・旭川市の旭山動物園の「行動展示」が想起される。今作ではその展示が地球規模にスケールアップ。さまざまな動物の貴重な生態が収められているだけに、動物と地球の知られざる歴史や素顔に迫ることができる。
「WATARIDORI」「オーシャンズ」などで約15年にわたりコンビを組んできたジャック・ペラン&ジャック・ペラン両監督が、2万年におよぶ生命の営みを圧倒的な映像美でとらえた。総製作費約40億円を費やし、世界初の小型無音バギーをはじめ、動物と並走した迫真の映像を創出する技術を導入している。「シーズンズ 2万年の地球旅行」は、笑福亭鶴瓶と木村文乃が日本語吹き替え版ナレーションを担当。1月15日から全国で公開される。