高橋ヨシキ&平山夢明、食人映画の“今昔”を語り尽くす
2015年11月27日 15:00

[映画.com ニュース] 食人族の恐怖を描いたトラウマホラー映画「食人族」(1981)と「グリーン・インフェルノ」を一挙上映する「食人フェスティバル2015 嗚呼、人肉を喰いたいと本能が叫んでる」が11月26日、東京・新宿武蔵野館で行われ、カニバル映画に造詣の深いデザイナー・ライターの高橋ヨシキ氏と、ホラー小説を多数手がける平山夢明氏がトークショーに出席した。
ルッジェロ・デオダート監督作「食人族」を「お茶を飲むように何回も見ている」という高橋氏は、「串刺しになっているお姉さんは、ボーナスもらったらしいですよ。ピクリとも動かないですから、偉いとしか言いようがない」と同作の象徴ともいえる女優を絶賛。これには平山氏も、「あのカットがあったおかげで、『食人族』が伝説になったんだからね。口も大きいもんね」と同調していた。
日本では、「食人族」は正月映画として新宿東急で封切られ、隣接するミラノ座では「E.T.」が上映されていた。当時、満席の「E.T.」を見られなかった観客が「食人族」に流れるという“珍事”が起こっていたそうで、平山氏は「素晴らしい! 本当に学んでもらいたい。シネコンとかそういう風にしないとダメだよね」とひざを打ち、高橋氏も「紀伊国屋の裏のアドホック、当時はその壁面が全部『食人族』のポスターだった。嫌でも目に入る、良い時代でした」と懐かしんでいた。
さらに平山氏は、「人肉を食べているシーンとかって、あれって本物の生肉とか食っているの?」と素朴な疑問をぶつける。これを受けた高橋氏は「役者が無理している場合が多いです。頑張りですよ」と回答し、続けて「最悪だったのはジョージ・A・ロメロの『死霊のえじき』。金曜日に撮影が終わって、先に買ってあったモツを冷蔵庫に入れて、皆帰った。月曜日に最後の(ジョセフ・ピラトー演じる)ローズ大尉のシーンで来てみたら、電源が抜けていた。それでやったので、よく見るとゾンビの人がすごく嫌そうにしている」と語り客席を沸かせた。
また平山氏は、「グリーン・インフェルノ」について「『食人族』は立石とか北千住の人食い屋という感じだけど、これは銀座あたりまで出てきた感じ」と独特の表現で称賛。「高級感がね」と笑った高橋氏も「この時代によくぞやってくれたと思いますよね」と最敬礼で、嬉々として「監督のイーライ・ロスは今はマッチョですが、もともとどえらい病弱で、両親も医者と芸術家というニューヨークのインテリ家庭。親がいい子になるように育てたのに、こんな映画ばっかり撮っている」と詳述していた。
「食人族」をモチーフにした「グリーン・インフェルノ」は、アマゾンの密林に迷い込んだ学生たちが食人族に捕らえられ、次々と餌食になっていく姿を描いた。11月28日から公開。
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