中村玉緒、原節子さんに思い馳せる「あこがれというよりも上の上の天の人」
2015年11月26日 12:42
[映画.com ニュース] オスカー女優ヘレン・ミレンが主演した映画「黄金のアデーレ 名画の帰還」の公開記念イベントが11月26日、東京・渋谷のシネマライズで行われ、女優の中村玉緒とお笑い芸人のヒロシが出席した。中村は、9月5日に死去していたことがわかった原節子さんへの思いを明かした。
中村が大映で活躍していた1950~60年代は、専属監督・俳優の引き抜きを禁ずる5社協定が存在し、さらに原さんが「忠臣蔵 花の巻・雪の巻(1962)」を最後に女優を引退したため、一度も会ったことがないという。中村は「女優としてではなく人間として、一度だけでも一言だけでも、1分でもいいからお会いしたかった」と語り、「(自身にとって)あこがれというよりも、上の上の天の人。ああいう女優さんになれたらな、というのも恐れ多いこと。神様のような女優さんです」と思いを馳せた。
グスタフ・クリムトによる世界的名画「黄金のアデーレ」をめぐって実際に起こった裁判をもとに描いた本作。今年で70歳を迎えた主演のミレンに対し、中村は「女優として素晴らしい」と最敬礼で、「私は76歳になるんですが、私も勇気を出して最後まで女優さんとしてお芝居したい」と生涯現役を宣言。そして、「芸能界が好きですから、女優さんじゃなくてもいろんなバラエティに出たい」と決意を新たにした。
またイベントでは、古今東西の名画を模写する親子3人組のアートユニット「アーブル美術館」による黄金のアデーレがお披露目。制作にあたった小学校6年生の藤原天馬くんの画力に感心しきりのふたりだったが、「私は絵が全然ダメですからね。山だけしか描けません」(中村)、「その日暮らしなので、絵を見るゆとりなんかないです!」(ヒロシ)とぼやき節で笑いを誘っていた。
「黄金のアデーレ 名画の帰還」は、11月27日からTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開。なお、アーブル美術館による黄金のアデーレは、11月27日~12月18日に同所で展示される。