My Little Loverのakko、主題歌を手がけた「起終点駅」は「久しぶりに清い日本映画」
2015年11月3日 06:00

[映画.com ニュース] 直木賞作家・桜木紫乃の小説を佐藤浩市と本田翼の共演で映画化した「起終点駅 ターミナル」で、11年ぶりに映画主題歌を担当したMy Little Loverのakkoが、映画.comのインタビューに応じた。
「起終点駅 ターミナル」は、北海道・釧路を舞台に、愛した女性を死に追いやった悔恨にさいなまれる国選弁護人・鷲田完治(佐藤)が、悲しい過去を背負った女性・椎名敦子(本田)の弁護を担当したことをきっかけに、両者が心を通わせていくさまを繊細に描く。
くしくも、My Little Loverが11年前に手がけた映画主題歌は、本作のメガホンをとった篠原哲雄監督の「深呼吸の必要」(2004)だった。akkoは「また篠原監督の作品に携わることができて光栄です。ご縁を感じて、わくわくした気持ちで挑みました」と感慨深げに振り返る。本作をすでに2回鑑賞したそうで「見るたびに感じ方が違って、好きな“間”が増えるんです。久しぶりに清い日本映画を見ました」と作品に流れる空気感に魅せられたと明かした。「この作品には、しなやかなたくましさがある。人が生きていくことの美しさ、本作のすばらしいところはそこにあると思います」。
My Little Loverは今年デビュー20周年を迎えるが、akkoは「何周年、ということはあまり気にしない。16年目も17年目も、ずっと一生懸命やってきたという気持ちがあるんです」と自身の信条を表明した。その瞬間、瞬間を大切にする姿勢を見せたが、本作の音楽も手がけた小林武史が作詞と作曲を務めた主題歌「ターミナル」においては、「この曲に20年目にして出合えたことがうれしかった」と特別な思いがあったと告白。「すごくMy Little Loverらしくてしっくり来た。居心地がよく、自分がいるべき曲です」と「新しいのに懐かしい」新曲を評した。それだけに、レコーディングでは「無心で向き合いました。その方が声がまっすぐ届くから」と気負わずに自然体でいることを心がけたという。
「一見冷たい空気感を持っている両作品ですが、よく目を凝らすと深い情熱が込められています」と映画と主題歌の共通項を挙げたakkoは、デビュー当時から楽曲を聞き込んできたファンにも言及し「社会人になって、痛い思いを含めてさまざまな経験をしてきた世代だと思います。本作のような豊かな作品によって、人生の中で培ってきたアンテナがさらに研ぎすまされるはず。そんな映画の不思議な魅力を体感してほしい」とアピールしていた。
本作は、中村獅童、和田正人、音尾琢真、泉谷しげる、尾野真千子らが脇を固める。主題歌「ターミナル」収録のアルバム「re:evergreen」は11月25日発売。映画「起終点駅 ターミナル」は11月7日から全国公開。
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