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佐藤浩市、「起終点駅」TIFFクロージング上映に感慨無量「日本映画らしい日本映画を持ってこれた」

2015年10月31日 18:45

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映画祭のトリを飾った「起終点駅 ターミナル」
映画祭のトリを飾った「起終点駅 ターミナル」

[映画.com ニュース]直木賞作家・桜木紫乃氏の小説を佐藤浩市本田翼の共演で映画化した「起終点駅 ターミナル」が10月31日、第28回東京国際映画祭のクロージング作品として上映された。佐藤と本田をはじめ、共演の尾野真千子、メガホンをとった篠原哲雄監督が東京TOHOシネマズ六本木ヒルズでの舞台挨拶に臨んだ。

佐藤は、「『起終点駅 ターミナル』という非常に日本映画らしい日本映画を持ってこれたことを光栄なことだと思っています」と感無量の面持ち。自身も過去6度に渡り同映画祭に参加し、「雪に願うこと」(2006)で最優秀主演男優賞を受賞していることから「参加させて頂く度に映画祭が華やかになっていく。映画が祭りの中心にあって、そこで映画を語り合い、見てくれる輪が大きくなってくるのを実感する。これほど嬉しいことはありません」と感慨深げ語った。

同映画祭初参加となった本田は、「こういった場に立つのは初めてで、気の利いたことは言えないのですが……」と緊張ぎみ。横に立つ佐藤が笑顔で話しかけて和ませるなど、仲睦まじい様子を見せた。

一方、佐藤扮する鷲田完治に振り回される元恋人を演じた尾野は、「この映画の通り、(佐藤に)人生を変えて頂いたのではと思います」と大先輩に最敬礼。また、脚本を読んだときの印象を「日本の映画で失われつつあるものが、この映画にはあるような気がした」と語り、「篠原監督が撮ってくれるということで、これは間違いなく日本を代表する映画になるんではないかと感じました」と仕上がりに胸を張った。

さらに佐藤は、25年前に起こった悲劇の罰を自らに課し、釧路に留まり続ける鷲田を演じるにあたり、「罪というのは必ず自分の心の中にある。それをどうやって抱えながら生きるのであろうかということをずっと考えながら、この役を演じさせてもらいました」と撮影時を振り返った。

篠原監督は、今作がクロージング作品に選出された事への謝辞を述べ、「この映画はまさに起点と終点、終点の地からどのように旅立っていけるかをテーマにした作品。非常に人間の深いところを描いている」「人は生き直すことができるんだということと、日本映画の王道のような細かな感情を描いた。自分の人生を振り返るきっかけになれば」と思いを語った。

起終点駅 ターミナル」は、北海道・釧路を舞台に、愛した女性を死に追いやった悔恨にさいなまれる国選弁護人・鷲田完治(佐藤)が、秘密を持つ依頼人の女性・椎名敦子(本田)と心を通わせていくさまを描く。11月7日から全国公開。

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