史実を基にした「地雷と少年兵」 デンマークのサンフリト監督「私たちにも暗い側面がある」
2015年10月23日 21:20

[映画.com ニュース] 第28回東京国際映画祭コンペティション部門出品作「地雷と少年兵」が10月23日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、マーチン・ピータ・サンフリト監督とローラン・モラー、プロデューサーのマイケル・クリスチヤン・ライクスが会見した。
終戦直後、デンマークの海岸沿いに埋められた地雷の撤去作業に、敗残したナチスドイツ軍の少年兵が動員される。少年兵を指揮する軍曹と、危険な作業に従事しながら帰国を願う少年たちの交流を描き、憎しみの中で人間の良心は存在するかを問う感動作。
本作はフィクションであるが、史実を基にした作品で、第2次大戦中にデンマークの海岸に埋められた地雷の数は200万個に上り、戦後にその処理で900人が命を落とした。サンフリト監督は「どんな国でも自国を良い国に見せたがるものですが、デンマークは世界で一番幸せな国のように見せる映画も多い中、私たちにも暗い側面があるということを描きました。ドイツ軍捕虜に地雷の撤去を強いただけでなく、少年にもやらせていたという事実を物語にした」と本作製作の経緯を語る。
少年兵を全員新人が演じており、実際に地雷が撤去された場所で撮影し映画のリアリティを高めた。5年に及ぶ占領でナチへの憎しみを持ちながらも、次第に少年たちに情がわいていく軍曹という難役を演じたモラーは、「人間誰しも良い面と悪い面が共存しているもの。私が演じた(軍曹の)苦しみに共感してもらえれば」と語る。少年たちを厳しく恫喝する役作りについては「浜辺での撮影だったので、時折子どもたちがバケーションの気分になっていることがあり、腹が立った時のその怒りをため込みました(笑)」と明かした。
プロデューサーのライクスは、本作の題材について「デンマークでも北欧でもあまり知られていないことで、なぜこの史実がこれまで隠されていたのかを考えた」といい、「映画では人道的な側面を大事にした。戦争の後に残るのは憎しみと地雷だけ。このことから世界が学ぶことは多い」と強調し、「世界中から地雷というクレイジーな武器が撤去されることを願っています」と訴えた。
東京国際映画祭は10月31日まで開催。
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