「この国の空」荒井晴彦監督、SNSでの批判に「ステレオタイプな戦争観」と反論
2015年8月26日 15:30

[映画.com ニュース] 「身も心も」(1997)以来18年ぶりのメガホン作「この国の空」が好評を博す荒井晴彦監督が8月25日、同作が上映されている東京・テアトル新宿でトークイベントを実施。「人々のささいな日常を描いたら珍しく評価されたみたい。ただ、僕らより若い世代がTwitterで『戦争の悲惨さが描かれていない』と批判している。ステレオタイプな戦争観をどこかで植えつけられたのか……」と反論した。
映画は、芥川賞作家・高井有一氏による同名小説を映画化。終戦間際の東京で「私は愛も知らずに、空襲で死ぬのでしょうか」と不安を抱えながら生きる19歳の里子(二階堂ふみ)が、妻子を疎開させて隣家で1人で暮らす銀行員・市毛(長谷川博己)に心惹かれていき、少女から女へと成長していく姿を描く。
トークイベントには荒井監督に加えて、写真家の石内都氏が出席。衣類を中心に広島の原爆遺品を被写体にした作品集「ひろしま」を発表しており、「私もよく『写真がきれい過ぎる』と批判される。戦争に対して、モノクロのイメージしかないんですね。実際には今も、色が残っているのに」と現代の風潮に首をかしげた。
本作のエンドロールでは女性詩人・茨木のり子の「わたしが一番きれいだったとき」が引用され、里子の揺れ動く心情を代弁している。「本当はタイトルにしたかったが、それは高井さんに失礼かなと思って。英語字幕版は、こっち(英訳した“When I Was Most Beautiful”)をタイトルにしました」(荒井監督)、「戦争が終わり、これから自立して生きていく里子さんにとって、指針のような詩。ストレートで、ある種の応援歌だと思う」(石内氏)と語っていた。
フォトギャラリー
関連ニュース






畑芽育×大橋和也「君がトクベツ」キャスト・キャラクター・あらすじまとめ 2025年公開の映画&新たな恋愛模様を描いたドラマが同日配信!
2025年9月16日 12:00
映画.com注目特集をチェック

吉永小百合“ベスト主演映画”TOP5を発表!
【出演123本の中から、1位はどの作品?】そして最新作は、生きる力をくれる“集大成的一作”
提供:キノフィルムズ

ワン・バトル・アフター・アナザー
【個人的・下半期で最も観たい映画を実際に観たら…】期待ぶち抜けの異常な面白さでとんでもなかった
提供:ワーナー・ブラザース映画

スパイによる究極のスパイ狩り
【前代未聞の心理戦】辛口批評サイト96%高評価、目を逸らせない超一級サスペンス
提供:パルコ

レッド・ツェッペリン ビカミング
【映画.com編集長が推したい一本】むしろ“最前列”で観るべき奇跡体験! この伝説を人生に刻め!
提供:ポニーキャニオン

酸素残量はわずか10分、生存確率0%…
【“地球で最も危険な仕事”の驚がくの実話】SNSで話題、極限状況を描いた超高評価作
提供:キノフィルムズ

ハンサム・ガイズ
【すっげぇ楽しかった超刺激作】激チャラ大学生が襲いかかってきて、なぜか勝手に死んでいきます(涙)
提供:ライツキューブ

なんだこの映画は…!?
「マトリックス」「アバター」など数々の傑作は、このシリーズがなければ生まれなかった――
提供:ディズニー

宝島
【超異例の「宝島」現象】こんなにも早く、心の底から“観てほしい”と感じた映画は初めてかもしれない。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント