「ピエロがお前を嘲笑う」ハッカー集団「CLAY」は、実在の組織「アノニマス」を意識!?
2015年8月21日 12:45

[映画.com ニュース] ひねりの利いたストーリーとスタイリッシュな映像が本国で話題となり、ドイツ・アカデミー賞で6部門にノミネートされたほか、ハリウッドリメイクも決定したスリラー「ピエロがお前を嘲笑う」に登場する4人組ハッカー集団「CLAY」の見た目や犯行の手口が、実在する国際的ハッカー集団「アノニマス」を彷彿(ほうふつ)とさせるものとして描かれているとことがわかった。
映画は、仲間と共に「CLAY」を結成し、数々のハッキング事件を企てた青年ベンヤミンが、突然警察に出頭し、女性捜査官に自身の生い立ちと過去に関与した事件の自白を始める。ベンヤミンが語る話の信ぴょう性を疑った捜査官は裏づけ捜査をするうち、衝撃の事実に行き当たる、というもの。2011年に米バラエティの「世界で注目すべき監督10人」に選出された新星バラン・ボー・オダー監督が、脚本も兼任した。内向的な性格に見えるも、どこかつかみどころのないベンヤミンを「コーヒーをめぐる冒険」(12)のトム・シリングが演じる。
メンバーは数千から数万人に及ぶともいわれるアノニマスは、これまでに世界各国の企業や省庁のウェブサイトや、イスラム過激派組織「イスラム国」にサイバー攻撃を行ったことで知られている。公の場に登場する際には、映画「Vフォー・ヴェンデッタ」(06)で有名になった、イギリスの国会議事堂を爆破しようとした17世紀の革命家、ガイ・フォークスの仮面をかぶることで知られている。
一方、劇中では、CLAYの結成の際にリーダーが「“アノニマス”や“ラルズセック”のような大物になろうぜ!」と発言し、ピエロの仮面をつけて活動するなど、アノニマスに憧れを持ったキャラクターとして描かれている。企業のウェブサイトや金融業界、果ては連邦情報局にまでサイバー攻撃を仕かけるスタイルや、ネットを中心に多数のフォロワーを獲得していくさまも、アノニマスと重ねて見ることができると言える。
「ピエロがお前を嘲笑う」は、9月12日から全国公開。
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