シュタイデル社が再発見した写真家を追うドキュメンタリー公開 字幕担当は柴田元幸
2015年7月4日 08:00

[映画.com ニュース] 2006年に写真集で定評のあるドイツのシュタイデル社から初の作品集が出版された、伝説の写真家ソール・ライターの半生を追ったドキュメンタリー「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」が11月劇場公開する。ポール・オースターをはじめとした現代アメリカ文学の翻訳で知られる、柴田元幸氏が日本語字幕を担当した。
ライターは1940年代から絵画のように豊かな表現力でニューヨークを撮影したカラー写真の先駆者で、「ハーパーズ バザー」や「ヴォーグ」など有名ファッション誌の表紙も飾っていたが、芸術性よりも商業性が強くなったファッション写真になじめなくなり、次第に表舞台から消えていった。成功や名声を望まない風変わりな性格もあり、個人的な作品を一切発表せず、晩年近くまで一部の批評家だけが知る存在だった。
ところが2006年にシュタイデル社から初の作品集が出版されると、80歳を超えた老写真家は世界中で熱狂的に迎えられ、パリのアンリ・カルティエ=ブレッソン財団では初の個展も開かれた。時代を超えて人々を魅了する写真を撮りながら、「人生で大切なことは、何を手に入れるかじゃない。何を捨てるかということだ」とあえて名声から距離を置いたライター。本作はそんな写真家の晩年に、30代の若き英国人監督トーマス・リーチが密着した。
「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと」は11月、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。
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