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「攻殻」×「シドニア」コラボイベント開催!クリエイター陣が「SFの未来」語る

2015年6月25日 13:20

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(左から)黄瀬和哉総監督、冲方丁、弐瓶勉氏、瀬下寛之監督
(左から)黄瀬和哉総監督、冲方丁、弐瓶勉氏、瀬下寛之監督

[映画.com ニュース]「攻殻機動隊 新劇場版」(公開中)と、現在放送中のテレビアニメ「シドニアの騎士 第九惑星戦役」がコラボレーションしたイベント「SFコラボナイト」が6月24日、東京・TOHOシネマズ日本橋で開催。「攻殻機動隊 新劇場版」から黄瀬和哉総監督と脚本の冲方丁、「シドニアの騎士 第九惑星戦役」から瀬下寛之監督と原作者の弐瓶勉氏が出席し、クリエイターならではのSF談義に花を咲かせた。

両作品は直接的な共通点はないものの、弐瓶氏の大ファンだという冲方の働きかけにより、コラボレーションが実現。登壇陣は緊張をほぐすためほろ酔い状態で登場したが、「SFの未来」を軸とするアカデミックなテーマのトークショーに臨んだ。「こういうコラボはいつかやってみたいと言っていた」という冲方は、「このジャンルにはすごい希望がある、人間性に訴えるものがあるという思いが、少しでも皆さんに届けばいいと思っています」と呼びかけた。

「SFの定義とは」と質問が寄せられると、冲方は「現代の科学技術がすごく近づいてきている。サイエンスという言葉自体が古くなっている」と前置きしたうえで、「多分、これからは“シンギュラリティ・ファウンディング”という、『限界を突破した時に現れる新たな文明』というのをテーマにしていくのが、SFになっていくんじゃないかな」と今後の展望を熱弁。「シドニアの騎士」で1000年後の世界を描いた弐瓶氏は、「僕が創作で目指しているのは、現実では絶対ありえないような状況とか、世界観を描いて、そこに人間を置くというのをやりたい。“遠未来”です」と矜持をのぞかせ、瀬下監督も「今の基準の科学的な理屈をつけ始めて、物語の荒唐無稽さや楽しみを阻害されるのはイヤなんですよ。現実から切り離して(設定や世界観を)なるべく遠くに置きたい」と明かした。

さらに瀬下監督は、「SF表現の今後」に言及。「科学的考証、物理的考証という説得力を高める設定が必要になればなるほど、純粋に楽しめなくなるという縛りにもなる。SFという可能性で皆が楽しむために、柔軟にいろんな選択肢があっていい」と期待を込めた。これに冲方も「『寿命(という限界)があるのがイヤ』だとしたら、『じゃあ人間全員の寿命がなくなったらどんな社会になるか』という、一種の大喜利みたいなところがSFの根本」と説明し、「最近、大喜利感が窮屈になっている気はしますね。テクノロジーで実現したい人、フィクションで実現したい人は根っこは同じなんですが、方向性は違うので、窮屈にならなくてもいいんじゃないかな」と同調していた。

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