菊地凛子「バードマン」監督に謝意「決して女優を辞めるなと励ましてくれた恩人」
2015年4月13日 18:45

[映画.com ニュース] 第87回アカデミー賞で作品賞含む4部門を受賞した「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」のサウンドトラックを手がけたジャスドラマー、アントニオ・サンチェスが来日し4月13日、都内のライブハウスで会見した。この日はサンチェスのほか、ジャズミュージシャンの菊地成孔、本作のメガホンをとったアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の「バベル」(2006)に出演した菊地凛子が登壇した。
映画や音楽に関する批評を多く執筆する菊地(成)は、オーソン・ウェルズやフェデリコ・フェリーニらの名を挙げ、「本作はこうした映画史の巨人が手掛けた作品に連なるような多角的な価値を持つ映画だと思います」と大絶賛。また、サンチェスやイニャリトゥ監督、撮影監督のエマニュエル・ルベツキといった主要スタッフの多くが中南米出身であることに触れ、「この映画は、合衆国のアングロサクソン文化に対して常に批判的であろうとする在米移民カルチャーが生んだ最良のものだと思います」と持論を展開した。
菊地(成)の紹介で登場したサンチェスは、ドラムセットで生演奏を披露。菊地(成)は、「本作のサウンドトラックはジャズのドラムソロの歴史を更新するといっても過言ではない。録音も素晴らしいですね」とサンチェスの才能を称えた。サンチェスは、「映画の各シーンに合わせる形で2回セッションを行いました。最初に録音した音が監督にはきれいすぎたらしく、もっと汚してくださいと言われたので、2度目のセッションではくすんだような、少し壊れているのかなと思えるような音質にしました」と明かした。そして「監督から、リーガンの葛藤や苦悩を表現するのがドラムの役割だと言われました。それを実行するのは時にとてもエネルギーのいる作業でした」と録音時の苦労を吐露した。
この日は、菊地(凛)からサンチェスに花束が贈られるひと幕もあった。「バベル」でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた菊地(凛)は「イニャリトゥ監督は、インターナショナルな仕事の場所を与えてくれた最初の人物。女優としての意志や力を与えてくれたのもイニャリトゥでした」と述懐。「『決して女優を辞めるな』と言われたことは今でも心に残っていますし、『バベル』に出演したことで女優としても人としてもタフになれました。諦めないことを教えてくれた人です」と謝意を示した。
かつてヒーロー映画「バードマン」で世界的スターになった俳優リーガン(マイケル・キートン)は、長いスランプに陥っていた。そんな失意の日々から抜け出すために、リーガンは自身の脚色・演出・出演でブロードウェイの舞台に挑むが、才能豊かな共演者の存在や娘との間に生まれた溝に悩み、徐々に追い詰められていく。映画は、公開中。
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