YouTubeと東映がクリエイター向けに時代劇プログラムを提供
2015年4月8日 06:00
[映画.com ニュース] 開設から今年で10周年を迎えるYouTubeは、日本国内のYouTubeクリエイターの支援活動の一環として、数々の時代劇を製作してきた大手映画会社・東映とのパートナーシップのもと、新しい支援プログラム「YouTube Space 時代劇 with 東映太秦映画村」をスタートした。
このプログラムの支援内容は、「学ぶ」「交流する」「創造する」の3つのキーワードからなる。YouTubeが運営する動画クリエイター向けの撮影スタジオ「YouTube Space Tokyo」(東京の六本木ヒルズ森タワー29階)に撮影できる時代劇セット(町屋、揚屋、殿様、御姫の4種類・64バリエーション)を無料公開し、次世代クリエイターの新たな作品制作を後押しする。
また、東映京都撮影所プロデュースのもと、東映が継承してきた時代劇の撮影技術、殺陣、衣装、美術、脚本制作、音声、照明などを学べるワークショップを実施。YouTubeチャンネル登録数5000以上の国内人気YouTubeクリエイター、くまみき、コバソロ、佐々木あさひ、はじめしゃちょーらを京都に招聘し、東映太秦映画村で撮影機会を提供する。
さらに、昨年「幕末高校生」が公開された映画監督の李闘士男氏によるコンサルテーション、「太秦ライムライト」を手がけた落合賢監督とのトークショーを行い、クリエイターの技術向上を支援するほか、、「時代劇」をテーマにしたクリエイター交流会、人気クリエイターによるファン交流イベントを東京と京都で実施する予定だ。
東映京都撮影所の竹村寧人所長は、「技術伝承のためにこれまでにも国内外からクリエイターを招いてワークショップを行ってきたが、YouTubeのパワーと東映のノウハウが融合することで、若い方々が時代劇の魅力に触れる機会となり、新しい形の時代劇が生み出されていくことを期待する」と、今回の取り組みの狙いについて述べた。
グーグル執行役員YouTubeパートナーシップ日本代表の水野有平氏は、「これまでにも日本の数多くのコンテンツ提供企業と協力し、日本の良質なコンテンツの発信に取り組んできたが、東映さんとの新たなパートナーシップを通じて、日本の重要なコンテンツフォーマットである時代劇というものを日本国内だけでなく、世界に向けて発信していく役割をグーグル、YouTubeとして果たしていきたい」と抱負を語った。
新プログラムの詳細については、グーグルのYouTube Spaceアジア太平洋統括部長のマクドナルド・デービッド氏と、東映京都撮影所製作部次長の高橋剣氏が行い、新セットを公開。李監督と人気クリエイターたちによるパネルディスカッションも行われた。なお、セットやワークショップの提供は今年5月末までを予定している。