杏、映画「百日紅」の世界配給に自信「海外だけでなく現代の私たちにも新しく映る」
2015年3月28日 19:30
[映画.com ニュース]女優の杏が主役声優を務めた映画「百日紅 Miss HOKUSAI」の大ヒット祈願イベントが3月28日、東京・日本橋の福徳神社で行われ、杏をはじめ松重豊、原恵一監督が出席。フランス、イギリス、ベルギーなど欧州6カ国での配給が決定している本作だけに、杏は「目の前で浮世絵を描いている様子、どんな格好をしてどんな生活をして描いているのかということは、海外だけでなく現代の私たちにも新しく映ると思います」と自信をのぞかせた。
艶やかな着物姿で登場した登壇陣は同所の仲通りを歩き、沿道の観客からの声援に応えた。1000年以上の歴史を持つ福徳神社ではヒット祈願が行われ、原監督は「身が引き締まりました。あとは神様におすがりするしかないのかなと(笑)。映画がヒットするようにお願いしました」とニッコリ。杏も「歴史ある神社の方々にお祈りをしてもらったので、きっと確実かなと思います」と語っていた。
江戸風俗研究家で漫画家の故杉浦日向子氏の漫画「百日紅(さるすべり)」を原作に、「映画 クレヨンしんちゃん」シリーズ、「河童のクゥと夏休み」の原監督が映画化。女性浮世絵師・お栄が、父・葛飾北斎や仲間たちとともに自由闊達(かったつ)に生きる姿を描いた。
主人公のお栄を演じた杏と、北斎役の松重は、ともに長編アニメでの声優は初挑戦。杏は「松重さんとまた父娘役で共演ができるということで、出来上がりが楽しみです」と明かし、松重も「声を入れる時はバラバラだったんですが、ちょうど同じドラマをやっていて、現場で『どうだった』『意外と楽しかった』という話をして盛り上がりましたね」と振り返っていた。
さらに杏は、史実では葛飾応為という名で活躍したお栄の浮世絵を鑑賞したことがあるそうで、「西洋画法も取り入れている、近代的な絵に驚きました。濃淡の少ないなかで描くイメージがありましたが、革新的な画法や画材を積極的に取り入れた、独創性の高い女性だったんだなと思います」とうっとり。そして、「百日紅は、長く長く紅が続くお花だということで、この文字が当てられています。(映画が)長く鮮やかに咲いて、そして皆様の目に届けばいいなと思っています」と映画をアピールしていた。
映画「百日紅 Miss HOKUSAI」は、5月9日から東京・TOHOシネマズ日本橋、テアトル新宿ほか全国で公開。