「ホビット」ニュージーランドツアーに密着、WETAワークショップに潜入取材してきた!
2014年12月2日 12:10

[映画.com ニュース] 超大作アドベンチャーシリーズの完結編「ホビット 決戦のゆくえ」の公開を記念し、「ホビット・ファン・コンテスト」の入賞者が11月2日から5日間、「ホビット」「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのロケ地をめぐるニュージーランドツアーに招待された。同行取材を行った映画.comは、ピーター・ジャクソン監督作をはじめ、数々のハリウッド大作の特殊メイクや造形物制作を手がけてきた工房「WETAワークショップ」に潜入し、首都ウェリントン・ミラマール地区を拠点とする世界屈指のスタジオの舞台裏を探ってきた。
まず訪れたのは、関連グッズを販売するWETAケーブ。フィギュアのミニミュージアムも併設されているほか、ジャクソン監督や共同設立者リチャード・テイラーらのインタビューが盛り込まれたドキュメンタリーが上映されているファン垂ぜんのスポットだ。ショップを出て、地面に描かれた足跡を追っていくと、真っ白な倉庫の壁にトロルが出現。WETAワークショップの入り口は遊び心満載で、真っ赤なドアをくぐると、内装はすべて白で統一され、明るさを意識したレイアウトで構成されている。
壁一面に剣や銃といった小道具が展示され、ショーケースの中にも、よろいやヘルメット、弓矢などがずらりと並ぶ。スマウグの頭部のミニチュア模型や「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ関連のものだけでなく、「キング・コング」や「ナルニア国物語」シリーズのものも。展示物はオリジナルや一点ものばかりのため、写真撮影も手で触れることも厳禁だ。
見学して驚かされるのは、制作物の多さと完成までの途方もない労力。コンセプトデザインの時点で、1アイテムで1000枚近く、時に5000枚近いスケッチが必要とされるという。3Dプリンタの導入で型や模型の制作時間は短縮されたそうだが、仕上げは彫刻家たちの手で行われている。撮影で使用される武器などはプラスチック製にして俳優の負担にならないようにしてあるほか、銃器には撃った時の反動が自然に表現されるようにバネを仕込んである。働き始めて2カ月半という若い女性アーティストは、セットの模型の着色の手を止め、トーリンのフィギュアを使って制作工程を丁寧に説明してくれた。
WETAワークショップでは、特殊メイク用のマスクも制作している。「ホビット」シリーズでは秒間48フレームのHFR(ハイフレームレート)撮影に挑戦したため、それまでの主流だったフォームラテックスよりも自然な質感が出せるシリコンを使用。ところが、これが高コストで、ドワーフの鼻だけで250ドル(約2万2000円)の費用が掛かるという。それも、1度きりの使い捨て。全3作の総製作費が約800億円に上ったと報じられたが、その理由もうかがえる。
衣装にも、並々ならぬこだわりが発揮されている。ミシンを使った裁縫をはじめ、革の染色から型押しの細工などを行っているが、「鎖かたびら」までが手作りだという。身に付ける種族によって特色があり、ドワーフは黒っぽい銅かっ色の多角形の組み合わせ、エルフは黄金のうろこ状のものと銀の輪で作られている。鎖の色・形・大きさの違いで、全体の印象が全く異なってくるのだ。また、軽量化のためプラスチック製になっているが、動かしたときに出る音は金属製とそっくりなのも興味深い。
映画づくりの意欲と誇りに満ちたアーティストたちを率いる、共同設立者のテイラーに話を聞くと、「マジック・リープ社とともに進めている、映像や情報との関わり方を変える新技術があります。すでに4、5年関わっていますが、私が現在手掛けているプロジェクトの中で最もエキサイティングなものです」と、WETAワークショップの次なる挑戦を明かした。マジック・リープ社は、3Dウェアラブルデバイスなどを開発しているアメリカの新興企業で、テイラーは取締役を務めている。
「ホビット 決戦のゆくえ」は、12月13日から全国公開。
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