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佐藤浩市&樋口可南子「愛を積むひと」クランクアップで“夫婦”として生きた撮影を振り返る

2014年11月18日 08:00

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北海道・美瑛町のオープンセットで撮影
北海道・美瑛町のオープンセットで撮影
(C)映画「愛を積むひと」製作委員会

[映画.com ニュース] 俳優の佐藤浩市と女優の樋口可南子が共演した、朝原雄三監督の最新作「愛を積むひと」の全キャストがこのほどクランクアップを迎え、初の夫婦役を演じたふたりがコメントを寄せた。

北海道の雄大な自然と豊かな四季を丁寧に紡ぎ出しながら、夫婦の愛、家族の絆を描く本作では、美瑛町に東京ドームと同面積の広大な敷地にオープンセットを建設し、約1年間の撮影を敢行。足かけ4カ月にわたり、大自然に包まれた美しい土地で第二の人生を歩もうとする夫婦を演じた佐藤と樋口は、「美瑛の風光明媚な風景、人々の優しさ、空気感は確実にフィルムに焼き付いていると思います」(佐藤)、「美しい大自然の中で、静かに戦ったという感じ」(樋口)と、作品の舞台について語る。

心臓の病を抱えながらも陽気に振舞うしっかり者の妻・良子を演じた樋口は、「命の時間が長くないと知った妻は、残された時間をどう夫と過ごすのだろう? ロケの間、ずーっと考えていたような気がします」と述懐。一方の佐藤は、「朝原組は『釣りバカ日誌』で、(父の)三國(連太郎さん)と一緒にやってきたスタッフが多いので、みんな僕の後ろに三國を見るだろうし、逆に言うと僕は朝原さん含めて、スタッフの後ろにまた三國を見る。そんな、普段なかなか無い相関性がありました」と現場での心境を振り返った。

愛する妻を失った主人公・篤史の悲哀と再生を体現した佐藤は、「可南子さんとの共演は、昔の日本映画を知っている者同士ということで、安心してキャッチボールができました」と語り、樋口は「純な夫婦。こうなりたいなー」と劇中の夫婦に共感する。そして、「石塀を夫に作って欲しいという希望を出すところが、とりわけ難しかった。この突飛な希望って大丈夫なのかなあと思っていたのですが、浩市さんの石を積む姿を見ていたら、なんだか妙に納得してしまいました」と明かした。

そんな佐藤は、「人を許すことで自分自身が前向きになれるという、そのことが上手くスクリーンに出てくれればいいなと思います」といい、「あとは、お互いを受け入れるということですよね。この映画を見て、隣にいる人を受け入れられる、そういう優しい気持ちになってくれたら嬉しいです」と思いをこめた。

エドワード・ムーニー・Jr.のベストセラー小説「石を積む人」をもとに、舞台をアメリカから北海道に置き換え、佐藤、樋口をはじめ、北川景子野村周平杉咲花吉田羊柄本明の共演で、かけがえのない夫婦愛、家族の絆を描く。北海道では、美瑛のオープンセットのほか、紅葉に染まった雑木林や旭川空港でも撮影が行われ、東京都内で篤史と良子が北海道に移住してくる前を描いた回想シーンが撮影された。今後、北海道で冬の風景を撮影し、2015年1月末の完成を予定している。公開は15年初夏。

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