佐藤浩市＆樋口可南子「愛を積むひと」で初の夫婦役！娘役は北川景子

［映画.com ニュース］　日本を代表する演技派俳優の佐藤浩市と樋口可南子が、朝原雄三監督の最新作「愛を積むひと」に出演し、初となる夫婦役で共演を果たすことがわかった。また、2人のかけがえのない一人娘・聡子を、北川景子が新境地となる役どころで挑むことが発表された。

同作は、エドワード・ムーニー・Jr.著「The Pearls of The Stone Man」が原作。2004年に「石を積む人」として出版され、翻訳本としては異例のロングセラーとなった。映画では舞台を北海道に置き換え、ロケ地となる美瑛町には東京ドームと同面積の広大な敷地にオープンセットを建設。大自然の四季の移ろいとともに、第二の人生を歩む夫婦、家族、人々のドラマを1年がかりで撮影する。

佐藤が扮するのは、仕事一筋で生きてきた実直で不器用な主人公・篤史。これまで骨太な役が多かったが、今作では愛する妻を失った男の悲哀と再生を惜しみなく演じる。6月中旬のクランクインを前に、「人は長く生きると鈍感になっていく部分があり、恐らくその最たるものが夫婦という人間関係だと思います。そばにいる事が当たり前で、横を見るとそこにいる人。それがどれだけ自分の一生に大切な存在なのか……」とコメントを寄せている。

北野武監督作「アキレスと亀」以来、7年ぶりの銀幕復帰となる樋口は、心臓の病を抱えながらも陽気に振舞うしっかり者の妻・良子に息吹を注ぎ込む。今作のストーリーについては「シンプルなだけに、自分の歩いてきた人生や今自分が感じていることなど透けて見えそうで怖いですが、50代半ばでこの役と向き合えることを幸せに思います」と語った。

2度目の共演で初の夫婦役となる2人。「久しぶりにご一緒させて頂く樋口可南子さん、並びにスタッフキャストと、人と人の鎹（かすがい）となる映画にしたいと思います」（佐藤）、「シルバーグレーの髪の色が似合い、渋くて、ますますかっこ良くなられたと思います。夫婦でしか積み重ねられない大事なものを、浩市さんと探し、作り上げたいです」と相まみえる時を静かに待っている。

映画は、長年連れ添ってきた夫婦が第二の人生をどう過ごすのか、連れ合いをなくしたときに人はどのように立ち直り、一歩前へ進んでいくのかをテーマに、人生の希望・豊かさとは何かを問いかけるものになる。

同作には佐藤、樋口、北川のほか、篤史の家の石塀作りを手伝う青年・徹役で野村周平、誰にも言えない秘密を抱える徹の恋人・紗英役で杉咲花、紗英の母・美智子役で吉田羊、紗英の義父・熊二役で柄本明が参戦。さらに、北海道出身の「TEAM NACS」の森崎博之、佐戸井けん太、岡田義徳が出演する。また、音楽を担当するのは作曲家・岩代太郎。劇中歌は、ナット・キング・コールが歌うチャールズ・チャップリン作曲の永遠の名曲「SMILE」に決定している。

「愛を積むひと」は、2015年初夏に全国で公開。