「タイムライン」監督、日本愛を強調 佐賀ロケは「期待以上だった」と絶賛
2014年10月29日 18:05

[映画.com ニュース] 第27回東京国際映画祭CROSSCUT ASIA部門に選出されたタイ映画「タイムライン」が10月29日、東京・TOHOシネマズ日本橋で公式上映され、ノンスィー・ニミブット監督とプロデューサーのナモン・ポンウィライ氏がティーチインに臨んだ。
佐賀県でもロケが行われ、“曳山”という山車を引きながら佐賀・唐津市内を練り歩く伝統行事「唐津くんち」の様子を盛り込みながら、ハートフルなラブストーリーを描いた。イチゴ農園をひとりで切り盛りし、息子ティーンの成長を見守るマット。新しい世界に興味を抱くティーンは都会の大学に進学し、そこで出会ったジューンに恋をする。
「ナンナーク」以来、16年ぶりに同映画祭への参加を果たしたニミブット監督。日本でのロケ地に佐賀を選んだ理由を「ある日、佐賀フィルムコミッションの今野さんという方がやってきて、佐賀県の美しいロケ地を提案してきた。話をして1時間で佐賀で撮ると決めました」と説明し、「美しい唐津くんちや神社など、タイ人が絶対に見たことのない景色を見せたいと思った。そして一番重要なことは、期待以上だったことです」と強調した。
唐津くんちについてポンウィライ氏は、「何万人もの人が来て大人も子どもも心を合わせて神輿を引いていく。その400年のお祭りにひかれて、必ず撮ろうと予定を組みなおしました」とスケジュールを変更してまで撮影に臨んだことを明かす。その魅力にはニミブット監督も同調しきりで「6歳から90歳の人まで皆、法被を着て歌って踊り、すごく楽しそうでその姿に目を見張りました。欧米には見られない、アジアならではの祭りだと思う。そこで得られた温かい気持ちを映画に入れられてよかった」と目を輝かせた。
さらに大の日本好きだというポンウィライ監督は、「日本は私にとって大好きな国。これまで自分の映画で2回日本に来たことがあります」とニッコリ。そして「日本人はすごく優しくて規律正しく、街を愛しているのをひしひしと感じた。この気持ちを帰ってから周りのタイ人に伝え、見習うべきじゃないかという話をしました」と手放しで絶賛した。
第27回東京国際映画祭は、31日まで。
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