原恵一監督が葛飾北斎親子描いた「百日紅」、フッテージ日本初公開!
2014年10月25日 23:30

[映画.com ニュース] 第27回東京国際映画祭の特別招待作品に選ばれた原恵一監督の新作「百日紅(仮題)」のスペシャルプレゼンテーションが10月25日、東京・TOHOシネマズ日本橋で行われ、制作を手がける「Production I.G」の代表取締役社長・石川光久氏、松下慶子プロデューサーが出席。製作状況や資料の一部が公開されたほか、日本初公開となるフッテージ映像がお披露目された。
「映画 クレヨンしんちゃん」シリーズなどヒット作を生み出し、世界でも高い人気を誇る原監督が、江戸風俗研究家、漫画家などとして知られる故杉浦日向子さんの代表作「百日紅」を原作に、浮世絵師の葛飾北斎・お栄親子と人々の交流を描く。原監督は、杉浦さんのファンだそうで「本人にとってバイブルみたいなものだったので、アニメ化するということは、今までの監督生命よりもハードルが高いものを課したと言っていた」(松下プロデューサー)と熱い思いで映画化に挑んだ。
本企画は、「ももへの手紙」の沖浦啓之監督が「百日紅」、原監督が「合葬」という杉浦作品の監督を希望したことから動き出した。「合葬」が沖浦監督作「人狼 JIN-ROH」とテーマが似ていたそうで、石川氏は「監督が自分で作りたいものと、お客さんが求めている監督の資質は決してイコールではない。原監督が『百日紅』をやったら見たいものになると思った」と原監督とのタッグによる映像化に踏み切った。
原監督は、本作でいくつかの挑戦を試みているそうで、橋を行き交う人物の3D表現、主人公の女性・お栄の描き方、現実と非現実を行き来する描写などがポイントとなっている。顔、体、小物などいくつものパーツの組み合わせによって作られた人物は、動きや密度などを緻密に計算され、江戸の活力が感じられる群衆の絵として完成。お栄は目力のある凛とした格好いい女性というイメージを軸に、「完全な美しさとして描くのではなく、未完成な部分が人間らしさ、リアリティにつながるのでは」と作られていった。北斎の「神奈川沖浪裏」をモチーフにしたファンタジックな波の場面は、「絵描きのパワーを感じられるものにしたいということで、アニメーターがやってみたいところをチャレンジした」(松下プロデューサー)。
6月には、世界最大のアニメーション国際映画祭である仏アヌシー国際アニメーション映画祭で製作会見を実施。原監督が浮世絵という題材を扱うことから、徹夜組が出るほど注目を集め、300席の会場が埋め尽くされた。石川氏は海外での手応えを振り返り、「I.Gのアニメーション作品はアヌシー、カンヌ、トロント、ベネチアすべてにノミネートされているが、アカデミー賞はいまだにノミネートされていない。28年作ってきて、アカデミー賞にノミネートしてとれる作品があるとしたら、この作品だなと強く思う」と自信をのぞかせた。松下プロデューサーも、「(原監督は)今かなりやる気に燃えていて、今までのペースを取り戻す勢い」とアピールした。2015年の劇場公開を目指し現在製作中。
第27回東京国際映画祭は、10月31日まで六本木ヒルズ、TOHOシネマズ日本橋ほかで開催。
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