海老蔵&獅童+三池崇史&クドカンで史上初めて六本木で歌舞伎公演
2014年10月14日 20:08
[映画.com ニュース] 歌舞伎俳優の市川海老蔵と中村獅童が共演する舞台「六本木歌舞伎」(2015年2月3~18日、EXシアター六本木)の製作発表が10月14日、都内で行われた。2人が今年1月に新橋演舞場「壽三升景清」で共演した際、楽屋で「何か新しいことをやりたいね」と意気投合。その場で海老蔵が三池崇史監督、獅童が脚本家の宮藤官九郎に電話をして、個性豊かなカルテットが実現した。
もともとは故中村勘三郎さんが、海老蔵に対して常々「成田家の芸は荒事なんだから、最後は海老蔵が地球を投げるくらいのことをやってほしいね」と話していた言葉が発端。海老蔵は「話して3時間後には決まった。伝統は、改革と革新の連続によって守り大切にしていかなければいけない。その精神を持って歩んでいきたい」と意欲を語った。
獅童も、「話して盛り上がって終わっちゃうことが多いから、すぐ行動する勢いが大事。勘三郎の兄さんの話は僕も聞いていたし、宮藤さんに書いてもらったら面白そうだと思った」と説明。勘三郎さんの「大江戸りびんぐでっど」など歌舞伎を手掛けたことのある宮藤は、「電話は急だったけれど、思いはすぐに分かった」と快諾したことを明かした。
脚本は現在執筆中で、元禄時代を舞台にした正義の味方(海老蔵)と宇宙人の悪の親玉(獅童)の対決が軸になるという。海老蔵が「そのまま(の設定)です」と言えば、獅童が「そのままじゃないよ」と切り返すなど息の合ったところを見せた。一方で、20代前半の頃には朝まで飲み明かし、先輩の獅童が渡したタクシー代を海老蔵が「こんなもん、いらねえ」と叩きつけた逸話や、銀座の高級クラブで獅童が海老蔵に「先輩だから」と言われ、120万円も支払わされた話を暴露し合い、会場の笑いを誘った。
そんな2人の勢いに、歌舞伎初演出となる三池監督も押され気味。それでも、「一生に1度は歌舞伎の演出ができたらいいなと遠い将来の夢として持っていた。映画では破壊者と言われているが、伝統を培ってきた歌舞伎役者ってすごいよねというものを見せたい」と腕を撫していた。