村上淳&息子・虹郎「なんで離婚?」シーンの舞台裏 「2つ目の窓」で親子共演
2014年8月1日 11:10

[映画.com ニュース] 俳優の村上淳が7月31日、東京・テアトル新宿で行われた出演作「2つ目の窓」(河瀬直美監督)の公開記念トークイベントに、本作で俳優デビューを飾った息子・虹郎とともに出席した。1997年に歌手のUAとの間に、虹郎が誕生し、その後2006年に離婚。本作で共演する村上と虹郎は、実生活と同じく、離婚後、離れて暮らす父子を演じている。劇中には久しぶりに居酒屋で再会した息子が、父親に離婚の理由を問いただすシーンがあり、トークイベントではその舞台裏も明かされた。
一部で「虹郎のアドリブ」と報じられた同シーンだが、虹郎によると「撮影中、河瀬監督から『なんで別れたのか、聞きなさい』ってメモ書きがひょいっと渡された」といい、「アドリブというよりは、その場で脚本が付け足された感じ」。そして、“息子”からの問いかけに答える父・村上のセリフについて、「あれこそ本当にアドリブ。母との出会いや、東京への思いとか、初めて聞くことばかりで『へえ』と思った」(虹郎)と語った。
「こちらも腹はくくっていた」という村上は、「七夜待」(2008)で河瀬監督とタッグを組んでおり、「芝居をすればするほど否定されるし、脚本以上のものが役者から発せられなければ、絶対にカットをかけない。あのシーンは4時間くらいずっと(キャメラを)回していた。エグイ人だよね(笑)」と振り返った。
トークイベントでは客席との質疑応答も行われ、タイトルの意味を聞かれた虹郎は「最近17歳になったばかり。この16年間、好奇心が強い分、スポーツも音楽も中途半端で後悔することもあった。(俳優デビューは)自分が初めて決断したこと。僕にとって開いた“窓”なんじゃないかと思います」と背筋を伸ばしていた。
太古から神と人間が共存してきた地・奄美大島を舞台に、離婚後の母親と島に移り住んできた16歳の界人(虹郎)と同級生の杏子が、ユタとして島民のよりどころだった杏子の母の死や、バラバラになりかけた界人一家の再生と向き合いながら、自然との共存と“いのち”の連鎖を自問するヒューマンドラマ。第67回カンヌ映画祭のコンペティション部門に出品され、10月にはフランスで100館規模の上映も決定している。
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