D・フレッチャー、英ミュージカルの映画化に挑んだ「サンシャイン」を語る
2014年7月31日 16:10

[映画.com ニュース] 傷つきバラバラになった家族が、再び希望に向かって歩き出す――イギリスの大ヒットミュージカルを映画化した「サンシャイン 歌声が響く街」は、愛に迷った人々を見つめた人生賛歌だ。俳優、監督として活躍するデクスター・フレッチャーが、パワフルかつ温もりにあふれたミュージカル映画として撮りあげた。
「トレインスポッティング」の製作スタッフが再結集した本作は、「I'm Gonna Be(500 Miles)」をはじめ、スコットランドの国民的バンド「プロクレイマーズ」のヒット曲が彩りを添える。フレッチャー監督は、「私は子どものころからミュージカルが大好きでした。この作品はキャラクター、ストーリーにひかれるものがあったし、映画監督をしていてもなかなかミュージカルをつくる機会はないので、絶対にやりたいと思ったんです」。さらに、デビュー作となったミュージカル映画「ダウンタウン物語」への思い入れも強く、「(同作の)アラン・パーカー監督は、私にとってヒーローのような存在なので、彼を踏襲したいという気持ちもありました」と明かした。
物語は、スコットランド・リースで繰り広げられる。ロブ(ピーター・ミュラン)とジーン(ジェーン・ホロックス)のおしどり夫婦は結婚25周年を迎え、兵役を終えた息子デイヴィー(ジョージ・マッケイ)と久しぶりの再会を果たし、幸せに包まれていた。しかし銀婚式当日、ロブに隠し子がいたことが発覚。同じ頃、娘リズ(フレイア・メーバー)も人生の岐路に立たされ、デイヴィーは恋人イヴォンヌ(アントニア・トーマス)と衝突してしまう。

フレッチャー監督は、本作がボーイ・ミーツ・ガールの物語ではなく、リアルな愛を描いている点にひかれたという。「ミュージカルというと明るく楽しい世界をイメージすると思うし、私も気分が上がるハッピーな映画をつくるつもりでした。でも、光を当てるためには影も描かなければいけないわけで、この作品は愛をとらえるために困難も描いているところがすごくいいと思ったんです。愛はとても複雑だし、今回は3組のカップルに落とし込んでいるので、いろいろな関係性の側面を描けることが魅力的でした」。夫婦、恋人と3組のカップルを通して、愛に迫った。「後半でみんな違う方向を向いてしまうことは、挑戦でしたね。演出として大きなチャレンジだったけれど、だからこそやりたかったんです」
ジーン、リズ、イヴォンヌという女性3人のキャラクターは、直面した問題を乗り越えるたくましさを秘めている。フレッチャー監督は「強い女性を描くということは、自分にとって新鮮でエキサイティングな体験でした。つらい障害や問題にぶつかったとき、男性陣はエモーションにとらわれて一歩も動けなくなってしまうけれど、彼女たちは自分で考えて選択できている。愛情の形はそれぞれ違うけれど、この作品の女性は感情を恐れず、自分がすべき選択をする強さを持っているんです」と語る。
「サンシャイン 歌声が響く街」は、8月1日から全国で公開。
(C)DNA Films
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