三池崇史監督「神さまの言うとおり」での新境地に福士蒼汰らが心酔
2014年7月22日 05:00

[映画.com ニュース] シリーズ累計で210万部を突破する人気コミックを三池崇史監督が実写映画化する「神さまの言うとおり」の撮影現場がこのほど公開され、主演の福士蒼汰をはじめヒロインの山崎紘菜、神木隆之介らが激しいアクションシーンに挑んだ。
高校生が一切の理由も説明も告げられず、次々に生き残りを懸けた「だるまさんが転んだ」「かごめかごめ」といったデスゲームに巻き込まれていくストーリー。公開されたのはロシアの古城をイメージした巨大セットで、“種目”は缶蹴りという原作にはない映画オリジナルの設定だ。
かなり大規模なセットだが、三池監督は1台のカメラで全体をとらえたショットから俳優への寄り、移動とさまざまな技巧を駆使し、丹念にカットを積み重ねていく。時には1シーンで30カット以上に及ぶこともあり、俳優の立ち位置やカメラのスピードなどに細かい指示を出すなど、精力的に動き回っている。
精細な絵コンテも用意されているが、現場で新たなアイデアが浮かぶと付き添っているイラストレーターがそのイメージを即座に具現化して追加する徹底したこだわり。「今までにないタイプだから、かなりスペシャルな作業。公開に間に合うといいけれどね」と自ちょう気味に語るが、手応え十分な様子が感じ取れる。
そんな監督の姿に、初めてタッグを組む福士は「観察力がすごくて、すべてを見透かされているような気がする」と尊敬の念。加えて「絵コンテの説明をする時は少年のように目が輝いていて印象的。台本プラスアルファの部分を伝えてくれるので、熱が入ります」と気合いが入っている。
山崎は「悪の教典」に続く出演だが、初の大役に抜てきされ「監督の言う通りにすれば、100%いいものができる。求められるものに100%の力で臨んでいます」と覚悟十分。「妖怪大戦争」以来、9年ぶりの三池組となる神木も「全く変わっていなくて、元気をいただける方。実際の動きの指示も『ドンッ、ガシャーンってなるんですよ』って聞いているだけでテンションが上がる。イメージがしやすくて、演じていて楽しい」と撮影を満喫しているようだ。
「エンタテインメントとして面白くてドキドキしたが、映画オリジナルで出せないのが悔しい」というほど原作に魅了された三池監督だが、「いいメンバーがそろった」と太鼓判。「演出はあまりしない方がいい。世代が違うし、求められるのはリアクションだから、あまり押し付けず自由な表現ができる場所を作ってあげるだけ」と、若手俳優たちに全幅の信頼を置いている。
撮影は中盤を過ぎたあたりで、これまで巨大な招き猫と戦うなどのアクションを経験してきたが、福士は「できているのかなというところはあるが、もっとやりたいですね」。山崎も「周りからは『大丈夫?』と言われるけれど、本当に楽しくてもっとやりたい」と声をそろえる。神木は、「今まで人生の中で殴ったり蹴ったりすることはあまりなかったけれど、(演じる)天谷はそういう生き方をしてきたというテーマを持って表現している。それが映っていれば」と気持ちを高めていた。
「神さまの言うとおり」は、負ければ死という過酷なゲームを課せられた高校生たちが、時に協力し合い、時に探り合いながら生き残る道を切り開いていくサバイバルアクション。11月15日から全国で公開される。
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