竜星涼「毎回違う役をやりたい」 ヒーローの仮面を脱ぎ捨てオタク青年を熱演!
2014年5月9日 15:20
[映画.com ニュース] 若手俳優の登竜門的存在であるスーパー戦隊シリーズ「獣電戦隊キョウリュウジャー」のキュウリュウレッドとしてブレイクした注目株・竜星涼。ヒロイックな役柄から一転、新作「俺たち賞金稼ぎ団」(5月10日公開)では冴えないオタク青年を熱演している。変幻自在ともいえる成長過程のただ中にある今、どんな思いで俳優業に向かい合っているのか、熱く語った。
本作は、「仮面ライダー」「スーパー戦隊」シリーズで活躍した若手俳優の新たな魅力を発掘する「TOEI HERO NEXT」シリーズの第4弾。地球滅亡を企む悪の軍団とキョウリュウジャーたちが激戦を繰り広げている頃、「劇団バズーカ」所属の俳優5人と1人の警察官が、ある放火殺人事件の真相を突き詰めるべく、奇抜な作戦を展開する模様を描いたコメディドラマだ。
キョウリュウジャーを演じた若手俳優たちが、同時代に生きる全く別の設定の役柄を演じるという新たな試み。撮影もキョウリュウジャーのオールアップ直後に行われたため、「普通なら一から新しい座組を作り上げなければならないけれど、すでにチームで築き上げた信頼感があったので、すっとクリアに入っていけた。『みんなどんな芝居するんだろう?』という楽しみもありながら、1年間一緒にやってきたメンバーならではのかけ合いができたと思う。それは画面からも伝わってくると思うし、だからこそキョウリュウジャーの6人でやる意味があった」と、この6人でしか実現し得なかったチームプレーが大きな見どころとなっている。
「星獣戦隊ギンガマン」世代だという竜星は、「自分も戦隊のレッドが好きだったし、今の子どもたちで桐生ダイゴにあこがれて自分みたいに大人になる人もいるんだなって考えると、改めてすごいなって痛感する。だけど、今やっとその実感が出てきた感じなんです」とフラットな心構えでレッド役に臨んでいたという。
今でこそキョウリュウレッドのはつらつとしたイメージが定着した竜星だが、「ダイゴをやるまではクールな役が多く、陰と陽で言えば“陰”のキャラクターが多かった。なのでダイゴを演じることは、真逆の明るさへの挑戦。良い意味で振り幅を大きくすることができ、役者としての引き出しも増やすことができた」という。さらに、「1年間通して同じ役と向き合えることってなかなかないので、俳優として大きく変わるチャンスになった。特に20歳という記念の年にそういう役に出合えたことは、全部プラスになったと思います」とぐんぐん経験値を積み上げた。
本作は、坂本浩一監督ならではのアクションはもちろん、6人のコミカルなかけ合いを楽しむ会話劇がメインとなる。竜星は、引っ込み思案なオタク青年という新しい役どころに挑んでおり、「役者としては毎回違う役をやりたいという欲があるんです。もっと色々な自分を見てもらいたいし、自分自身も色々な自分を見たい。これまでのイメージをぶち壊してやろうというくらいの気持ちがあった」と変化に対して柔軟、というよりは貪欲だ。また、オタク青年の必死な戦いぶりは見ていてこっけいで「今回の僕の役は、キョウリュウジャーの時のようなかっこいいアクションではなく、かっこよくないアクションが求められた。何でも基本ができていないと応用にはいけないので、それは本当に難しかったですね」と意外な苦労も明かしてくれた。
戦隊ヒーローからオタク青年、次はどんな顔を見せてくれるのだろうと期待してしまうが、「ヒーローをやったからこそ逆にダークヒーローもやりたいし、僕ら若い世代が『世間をにぎわせる作品を!』っていう感覚でやっていくのはとても大事なことだと思う。個人的には、生きることに対して葛藤するような、泥にまみれた人間を描いたものに挑戦していきたい」と、これからも良い意味でファンを裏切っていってくれそうだ。
「俺たち賞金稼ぎ団」は5月10日から公開。
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