カンバーバッチに続く注目の英国男子コリン・モーガンが出演作を語る
2014年3月29日 10:15
[映画.com ニュース] アイルランドのダブリンを舞台に、不器用な大人たちの再生を描いたドラマ「ダブリンの時計職人」で、元時計職人の主人公を勇気づける青年役で強く印象を残すコリン・モーガンがインタビューに応じた。
青年カハルを演じたモーガンは、全世界180カ国で放送されたイギリスのヒットドラマ「魔術師マーリン」でブレイクしたアイルランド出身の若手俳優。その人気は、イギリスの「National Television Awards」で「SHERLOCK シャーロック」のベネディクト・カンバーバッチや「ドクター・フー」のマット・スミスを押しのけ、2013年ドラマ部門最優秀男優賞を受賞するほどだ。
また、イギリスのエンタテインメント情報サイト「CULTBOX」が11年に行ったランキングでも、全体の37%に相当する1万票近くを獲得し、カンバーバッチ(3位)、「ホビット」のリチャード・アーミテージ(2位)を抑えて「最もセクシーな男」の称号を手にしている。
そんなモーガンが「ダブリンの時計職人」で挑んだのは、明るく振る舞いながらも、心に深い傷を負ったホームレスという難役。モーガンは「カハルは暗い過去を持ったジャンキーのろくでなし。駐車場で出会った元時計職人でホームレスのフレッドと友情を結び、暗闇の中で生きるフレッドに明るさを取り戻させようとする。そして彼と一緒に、家に住むことの大切さを見つけるんだ」と解説する。
フレッド(コルム・ミーニー)は、カハルの存在によって新しい自分を発見し、偶然スイミングプールで出会った未亡人ジュールス(ミルカ・アフロス)に恋をする。だが、何も持たないホームレスである自分とジュールスの格差にフレッドは悩み、そんな恋の行方にも、カハルは重要な役割を果たしていく。
モーガンは、カハル役を「『魔術師マーリン』からの大きな脱却だった」と振り返る。アーサー王物語に登場する魔術師役として人気を博したファンタジードラマから打って変わり、今作は「現在のアイルランドのホームレスとドラッグ中毒と経済問題という大きな問題にも取り組んでいる」という社会派の要素もあわせもつ。モーガンは苦手なタバコにも挑戦し、「役に説得力を持たせるために、1カ月間だけ喫煙を始めたんだよ!」と胸を張る。
そして、役作りのリサーチのために訪れたドラッグのリハビリセンターでの体験に触れ、「麻薬常習者がどのようにドラッグを打っているのかビデオを見た。驚いたのは、中毒者は(カハルのような)落ちぶれたろくでなしなんかじゃなく、自分が中毒者であることを巧みに隠して社会で働いているんだ。ドラッグ中毒は、それが秘密にされること自体が大きな問題だと思う」と警鐘を鳴らした。
「ダブリンの時計職人」は、3月29日から全国で順次公開。