スティーブ・マックイーン監督が「それでも夜は明ける」誕生を述懐
2014年3月20日 12:50
[映画.com ニュース] 第86回アカデミー賞の作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門に輝いた「それでも夜は明ける」(現在公開中)のメガホンをとり、黒人監督が手掛けた作品として初の作品賞受賞という栄誉を受けたスティーブ・マックイーン監督が、同作を振り返った。
マックイーン監督は、何者かの手によって拉致されたアメリカ北部の自由黒人が、南部の農園で12年間もの奴隷生活を強要されたという驚くべき実話を映画化するにあたり、「ホロコーストについての映画を作る決断をするように、僕は、奴隷制度についてのストーリーをとても作りたかった。それだけだよ。それが僕の情熱だった」と着想のきっかけを語る。
だが、当初は「僕は自由な男が誘拐されて、奴隷にされるというアイデアを考えた」のみにとどまり、妻が「どうして奴隷制度に関する本当の話、歴史的な話を探してみないの?」と言ったことで、ソロモン・ノーサップの自叙伝「12 Years a Slave」に行き着いたという。マックイーン監督は「本を開いて読み始めると、ページを繰る度に、僕にとって驚くべき新事実が明らかになっていった」と当時の状況を語り、「そして本を読み終えるや、僕は怒っていた。自分自身に対して腹が立ったんだ。なぜ、この本のことを知らなかったのかってね。それから、誰も知らないことに気づいたんだ。それが、この本を映画化する理由になった」と明かす。
1969年ロンドンに生まれ、映像や写真、インスタレーションの現代アーティストとして活躍し、08年の「ハンガー」で映画監督デビューを飾ったマックイーン監督。本作は監督3作目となるが、プロデューサーを務め、重要な役柄として出演もしているブラッド・ピットは、デビュー間もない時期からマックイーン監督との共同作業を熱望していたという。「(彼が自分との仕事に)とても熱心だったから、『奴隷制度の映画を作りたい』というアイデアを話したんだ」と述懐。ピットは、「どうして奴隷制度についての映画がなかったんだろう? ホロコーストについての映画はあるのに、奴隷制度についての映画はない」と反応し、監督に対して「『やりましょう』と言ったよ」という。
「ブラッド・ピットが作品に参加しなかったら、(資金面から)製作することができなかった」とコメントを残しているが、「僕たちが自分たちの映画を作ったことが、すでに勝利だということだ。作るのは不可能な映画と言われていたんだから」と胸を張る。そして「人々は、この映画を受け入れる準備ができていると思う。(人種差別で射殺された13年の)トレイボン・マーティン君のような不幸な事件もあるし、今は黒人のオバマ大統領の時代でもある。僕たちがこの映画にそうした状況によって生まれた気運を生かし、人々がそれに反応してくれることを願っている」と続け、「日本の観客にも、ただ心と目を開いて、この映画を見に来て欲しいと思う。それだけだよ」とメッセージを送った。
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
芸能生活50年で“初”体験!
【無料】映画の面白さが何倍にもなる特別番組…貴重な瞬間を見逃すな!(提供:BS10 スターチャンネル)
ショウタイムセブン
【阿部寛がヤバすぎる】異常な主人公 VS イカれた爆弾テロ犯…衝撃のラスト6分、狂気の向こう側へ
提供:アスミック・エース
この新作は観るべきか、否か?
【独自調査を実施、結果は…】新「アベンジャーズ」と関係? 期待高まる“6つの大事件”が判明
提供:ディズニー
セプテンバー5
【“史上最悪”の事件を、全世界に生放送】こんな映像、観ていいのか?ショッキングな実話
提供:東和ピクチャーズ
次に観るべき“珠玉の衝撃作”
【余命わずかの親友から奇妙なお願い】「私が死ぬとき隣の部屋にいて」――魂に効く“最高傑作”更新
提供:ワーナー・ブラザース映画
激しく、心を揺さぶる超良作
【涙腺が危ない】切なすぎる物語…さらに脳がバグる映像美×極限の臨場感にド肝を抜かれる!
提供:ディズニー