「常に新しく学べることがある」オスカー女優ジュディ・デンチが語る
2014年3月13日 19:00

[映画.com ニュース] 「007」シリーズのM役で知られるイギリスの名優ジュディ・デンチが、第86回アカデミー賞で主演女優賞ノミネートを受けた「あなたを抱きしめる日まで」について語った。
デンチは、出演のきっかけを、「(共演者で共同脚本と製作も務めた)スティーブ・クーガンが私の家に来てくれて、庭で脚本を読んで聞かせれくれた。心からこの脚本に感動し、完全にこの物語の虜になったの」と振り返る。
原作は英国のベストセラーノンフィクション。10代で未婚のまま出産したことにより、50年前に生き別れてしまった息子を捜し続けたアイルランド人女性フィロミナ・リーの物語だ。
デンチは心奪われた理由を、「ほとんどの人は、この物語は修道院の尼が何をやったか、教会のやったことについての話だと思うかもしれない。でも、実際は教会についての話ではなく、あの体験を通して、彼女には何ものにも動じない信心があったんだということを表した話だと思うから」と話す。そして、「彼女は50年の間、誰にも言わずに秘密を自分の中に隠していた。それにも関わらず、真実を知った時にあんなに気高く振る舞った。その点で、彼女は非常に特別な人だと思うの」とフィロミナの生きる姿勢ににひかれたことを明かした。
そんなフィロミナと、彼女に随行取材する元エリート記者マーティン(スティーブ・クーガン)による息子捜しの旅が、「会ってすぐに気が合ったわ。おかげで一緒の演技がずっと簡単になった。彼の前だったら気にせず恥もかけたし、バカなこともできた。彼の方もそうだったわ」と語る絶妙な掛け合いとともに描かれていく。
近年はシニア世代が活躍し、見る者に元気を与える作品が多い印象だが、本作もまた、観客に勇気を与えると評判だ。「シニアだからといって、ソファに座ってメガネかけて新聞を読んでいるだけではないのよ。うちの父は医師だったけれど、『仕事を引退するんです』と言う患者には、『絶対に引退するな』とよく言っていたわ。現役のときより暇にするというのは良くないって。それは真実だと思う」と、現在79歳のデンチは語る。
「引退するって、車をガレージに入れるみたい。一度入れて扉を閉めてしまったら、もうどこにも行けないわ。それに年を取ったからって、人生何もかも知り尽くしたと思うのは間違いだと思う。常に新しく学べることがあるんだから。学ぶことは大好き。何についてでもいい、ちっぽけなことでもね」
「あなたを抱きしめる日まで」は、3月15日から全国公開。
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