大森一樹監督初の本格レトロスペクティブ開催
2014年3月12日 07:00

[映画.com ニュース] 「ヒポクラテスたち」「ゴジラVSキングギドラ」などで知られる大森一樹監督の特集上映が、東京・京橋のフィルムセンターで3月18日から開催される。
1980年代以降の日本映画を牽引してきた映画監督が自作の中から上映作品を選定する「自選シリーズ 現代日本の映画監督」の第2弾企画で、12プログラムの作品を上映する。医学部出身という異色の経歴を持つ大森監督のデビュー作から今日までの足跡をたどり、その作品の多様さを振り返ることのできる貴重な機会だ。
大森監督は自主映画から商業映画デビューした最初期の監督。「オレンジロード急行」で商業デビュー後、従来の日本映画のカラーを打ち破る作品を立て続けに発表し、80年代以降の日本映画に多大な影響を与えた。
フィルムセンターの佐々木淳研究員は「『オレンジロード急行』はそれまでの商業映画にない、アマチュアらしい自由で新鮮な空気にあふれた作品でした。そして大森監督はその特質を武器に、ATG作品から80年代の二本立てアイドル映画で軽やかな傑作を連打して、メジャー系でヒットメーカーになります。そうした流れゆえに作家として語られる機会の少ない監督でしたが、今回の特集を見ていただければ、群像劇や言葉、乗り物による移動に徹底してこだわり、物語やテーマを“らしく語ること”に縛られず、独自の世界観を作り上げてしまう……そんな大森映画の大胆かつ自由な面白さに気づいていただけるものと思います」と大森監督の作品の特徴や変遷と共に見どころを語っている。
特集上映は3月31日まで。3月23、29、30日上映後には大森監督によるトークイベントも行われる。
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