オスカー最有力「それでも夜は明ける」は受賞できる? 発表前夜に大分析
2014年3月2日 20:07

[映画.com ニュース]第86回アカデミー賞授賞式を目前に控えた3月2日、都内でオスカー最有力の呼び声高いヒューマンドラマ「それでも夜は明ける」の特別試写会が行われ、映画評論家の町山智浩氏と、放送プロデューサーでタレントのデーブ・スペクターが登壇。奴隷制度を描く本作が高く評価される理由や、アカデミー賞受賞の可能性について意見を交わした。
南部の農園に売られた黒人ソロモン・ノーサップが12年間の壮絶な奴隷生活をつづった伝記を、「SHAME シェイム」で注目を集めたスティーブ・マックイーン監督が映画化した本作。
第71回ゴールデン・グローブ賞作品賞(ドラマ)をはじめ、放送映画批評家協会賞、米製作者組合賞、第67回英国アカデミー賞といったオスカー前しょう戦で作品賞を受賞。試写会当日に発表されたインディペンデント・スピリット賞でも作品賞に輝き、オスカー受賞に王手をかけた状態だ。
町山氏は「やはり大本命だと思う。ハリウッドがやらなければいけない企画だった」と断言する一方で、「奴隷制度を描いているので、アメリカ南部では上映したがらなかった。歴史を否定したい彼らにとっては、今も忘れたい歴史で、ネットでの批判も南部が多かった」と懸念も示した。対抗馬はアルフォンソ・キュアロン監督の「ゼロ・グラビティ」だといい、「突然、極限状態に追い込まれた主人公を、長回しで撮り、観客に“体感”させる手法が共通している」と分析した。
一方、デーブは業界人の投票が決めるアカデミー賞の特性に触れ「ハリウッドは『自分たちがいいことをしている』と正当化し、褒められたがる」という理由で、「それでも夜は明ける」が優位だと主張。ただ、「良くも悪くも業界受けが優先されるので、そういう意味では『アメリカン・ハッスル』も強い。肝心なのはオスカーが、何を推すか(おすか)」とジョークを交え、別の対抗馬を挙げた。
ふたりの意見が一致したのは、プロデューサーとして本作の成功を導いたブラッド・ピットの才覚。大手スタジオが製作に難色を示すなか、ピットが出資に乗り出した経緯があり「本当に勇気があると思いますよ。製作を務めた『ディパーテッド』もオスカーを取っているし、プロデューサーとして非常に優秀」(町山氏)。ピットは劇中で奴隷解放論者を演じており、デーブは「プロデューサーだからって自分だけあんなおいしい役、ずるい」と笑いを誘った。それでも「この映画がアメリカで、公立高校の必須映画になったのは、意味があること」と本作の意義を称えていた。
「それでも夜は明ける」は3月7日から全国で公開。
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