妻夫木聡「バンクーバーの朝日」主演で石井裕也監督と再タッグ!亀梨和也らと日系移民に
2014年2月20日 05:00
[映画.com ニュース] 戦前のカナダで実在し、2003年にカナダ野球殿堂入りを果たした日系移民で構成された野球チーム「バンクーバー朝日軍」の記録をもとにした映画「バンクーバーの朝日」が、石井裕也監督(「舟を編む」)のメガホンで製作されることになった。主演を務めるのは、人気と実力を兼ね備えた妻夫木聡。製材所で働く日系二世で、チームではショートを守るレジー笠原に息吹を注ぎ込む妻夫木は、石井監督と「ぼくたちの家族」でもタッグを組んでおり、今作で再び相まみえることになった。
今年は、バンクーバー朝日軍結成100周年という節目の年。差別や貧困と戦いながらフェアプレー精神を貫き、日系移民に誇りと勇気を与えるとともに、白人社会からも絶大な人気を得た伝説のチームの軌跡に迫る。妻夫木とともにチームを盛りたてるのは、エースピッチャー・ロイ永西役の亀梨和也、セカンドを守るケイ北本役の勝地涼、豆腐屋で働く捕手・トム三宅役の上地雄輔、サードのフランク野島役の池松壮亮と、いずれも野球経験のある精鋭たちだ。さらに、レジー笠原の父・笠原清二を佐藤浩市が演じる。
石井監督がキャストによる吹き替えなしでのプレーと演技を求めたため、主要キャストで唯一、野球経験のなかった妻夫木は約3カ月にわたるトレーニングを実施。クランクイン前に行われたチーム合宿では、関係者が驚くほどはつらつとした動きを披露したという。意気込みも相当のもので、「日系人として生まれて、差別や排斥運動など厳しい境遇の中で生きた彼らの誇りを胸に、演じるということをいい意味で忘れて、この世界で僕自身もはいつくばって生きていけたらと考えています」と話している。
「Going!Sports&News」でスポーツキャスターを務め、多くの現役プロ野球選手と対戦した経験を持つ亀梨も負けていない。「野球のお話ということで僕自身、野球の経験はありますが、その時代の方達の野球のスタイルというものを一から学び、考え、日本人としてこの歴史をしっかりと胸に刻み、撮影に挑みたいと思います。妻夫木さんをはじめ、共演者の方たちと最高の、そして最強のチーム朝日を作っていきたいと思います」とコメントを寄せた。
フジテレビの稲葉直人プロデューサーは、6年越しの企画実現に興奮を隠し切れない様子だ。「僕にとっても、石井監督にとってもチャレンジ。ベストセラーの原作を旬のキャストで映画化することに懸念を抱いていた。映画館でしか見られない世界を提示し、面白くも胸に残る作品を作らなければ。こういう企画を映画化して一流のキャスト、スタッフで当てることが使命感だと思って取り組んでいきたい」。
稲葉プロデューサーからのラブコールを快諾した石井監督も、「夢も希望も持てない、一条の光すら見えない逆境の中で、それでも何とか立ち上がろうとした若者たちの姿を描きたいと思っています」と並々ならぬ意欲。大阪芸術大学の先輩である若き名キャメラマン・近藤龍人、脚本の奥寺佐渡子、美術の原田満生らとともに、万難を排して2月18日から撮入した。撮影は栃木・足利に広大なロケセットを組み、当時の野球場や日本人街を再現。バンクーバーでの撮影を経て、4月下旬にクランクアップ予定だ。
「バンクーバーの朝日」は、12月に全国で公開。
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