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リー・ダニエルズ監督「大統領の執事の涙」、低予算でもオスカー俳優勢ぞろいの理由

2014年2月7日 16:35

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来日中のリー・ダニエルズ監督
来日中のリー・ダニエルズ監督

[映画.com ニュース]来日中のリー・ダニエルズ監督が2月6日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見し、最新作「大統領の執事の涙」をアピールした。

バラク・オバマの歴史的快挙に沸く2008年、「ワシントン・ポスト」に掲載された実話を基に、ホワイトハウスでジョンソン、ニクソン、レーガンなど7人の歴代大統領に仕えた黒人執事の知られざる人生と、米国社会の移り変わりを描き出す。

主演を務めるフォレスト・ウィテカーをはじめ、アイゼンハワー大統領を演じるロビン・ウィリアムズ、レーガン大統領夫人役のジェーン・フォンダアカデミー賞受賞者が勢ぞろいしたが「ハリウッドの大手スタジオからは、まったく相手にされなかった企画。製作費も驚くほど少ない」(ダニエルズ監督)。それでも「皆、ストーリーの良さにひかれて集まってくれた」といい、感謝の意を表していた。

初プロデュース作「チョコレート」(01)で、ハル・ベリーにアフリカ系アメリカ人として初のアカデミー賞主演女優賞をもたらし、監督2作目「プレシャス」が助演女優賞、脚色賞に輝いたダニエルズ監督。現在の成功は「奇跡でしかない」と語り、「人種差別がもたらす貧困のなか、私の父や多くの友人が死んでいくのをこの目で見てきた」と振り返る。

それだけに「この作品を撮るうえで、改めてリサーチをし、私の先祖がたどった歴史に思いをはせ、怒りを覚えた。自分が父親になった今では、子どもたちになぜアフリカ系アメリカ人が差別を受ける立場なのか説明できず、さらにつらい思いをする」と苦しい胸中を明かした。

映画は昨年8月、全米で公開されるやボックスオフィスで首位デビューを飾り、3週連続で第1位を記録。興収1億ドルを超えるサプライズヒットを放ち「人種や世代を問わず、幅広い人たちに見てもらう映画を目指した。映画監督として、多様性を見せることもできた」と誇らしげだった。「大統領の執事の涙」は2月15日から全国公開。

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