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湯山玲子氏&宮台真司氏が「パリ、ただよう花」で恋愛談議!

2013年12月24日 17:10

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「ナンパをしないなんてもったいない」と説いた宮台氏(右)と湯山氏(左)
「ナンパをしないなんてもったいない」と説いた宮台氏(右)と湯山氏(左)

[映画.com ニュース] 鬼才ロウ・イエ監督の最新作「パリ、ただよう花」の公開記念イベントが12月23日、東京・渋谷のアップリンクで行われ、著述家の湯山玲子氏と社会学者の宮台真司氏が“愛とセックス”をテーマに熱い談義を交わした。

ロウ監督は、天安門事件を題材にした「天安門、恋人たち」(06)を手がけたことで中国当局から5年間の映画製作禁止処分を下された。仏パリを舞台にした本作は、異なる文化と人種の間で揺れ動きながら、愛欲におぼれていく中国人女性の姿をリアルに描き出したラブストーリー。原作は、北京出身でフランス在住の作家リウ・ジエがインターネットで発表した自伝的小説「裸」。

常々ナンパの重要性を説いている宮台氏は、「淫乱と貞淑、インテリと労働者階級の対比は古典的だけど、今日ならではの意味がある。僕は1970年代末以降の渋谷や新宿でナンパを始めたので、主人公たちと同じような経験を山のように積んでいる。みんな都会では装って、名のない存在になりきろうとする。だから個別の女と寝たというよりは、街とセックスしたような記憶」と述懐した。

湯山氏も、「前作の『スプリング・フィーバー』も素晴らしかったけど、今回もノンバーバル(非言語的)な肉体感に人間の深さを感じた。監督のそこに対する信頼がすごい」と感心しきり。また、「男が強引に押し倒しているように見えるけれど、女優も目配せで『イエス』と言っている。その芝居がおざなりになるとただの暴力になってしまう。これは女子に使える手口!」とロウ監督の細やかな演出にうなっていた。

宮台氏は、「若い人には散歩を勧める。最初は歩幅も合わないしペースも合わない。だけど長い間散歩しているうちに互いのフレームもほぐれて、同じものを同じように体験できるようになる。そういう“変性意識状態”にいくには散歩のような助走が必要。今のネット社会も、自意識のフレームが叩き潰されずに温存されてきた結果」と分析。そして、「ナンパをしないなんてもったいない。すべてに可能性がある。ナンパしたらどうなるか、たとえ成功しなくてもその夢想が楽しい。この世界は見た目よりもワンダーランド。薄皮をめくると不思議なことが起こる」と若者たちを激励した。

パリ、ただよう花」は、現在公開中の渋谷アップリンク、新宿K'sシネマのほか、全国で順次公開。

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