染谷将太が「永遠の0」で果たした役割、そして最も伝えたいこと
2013年12月23日 12:00

[映画.com ニュース] 進境著しい俳優の染谷将太が、大ヒット公開中の岡田准一主演作「永遠の0」(山崎貴監督)に出演し、独特ともいえる静かなる存在感を放っている。戦時中パートで、「学徒出陣」のもと徴兵された予備士官(少尉)の大石に扮した染谷に話を聞いた。(取材・文/編集部、写真/江藤海彦)
染谷が演じる大石は、筑波海軍航空隊で教官として着任した主人公・宮部久蔵(岡田)と出会い、「生きて妻のもとへ帰る」という言葉に心を打たれるが、沖縄戦で宮部とともに特攻出撃することになるという役どころ。撮影現場では、岡田から「『染谷君にかかっているからね、この映画は!』と毎日のように本気とも冗談ともつかない調子で言われていました(笑)」という。
岡田のほか、濱田岳、新井浩文、三浦貴大、上田竜也ら同年代の役者と対峙したが「僕がずば抜けて年下でしたから、皆さん、お兄さんって感じでしたね」と述懐。それでも、「20代前後の方々があれだけ集まった現場なので、勢いというかパワーみたいなものがあふれていて、自分にとってもいい活力財になりましたね」と語る。撮影に際し軍事訓練も受けたそうで、「連帯感がありました。誰かがひとりでも脱落すると、みんなでしんどい格好をしたまま待っていましたし。すごく新鮮でしたね」と明かす。
百田尚樹氏のベストセラー小説が原作の今作は、生きることに執着し「妻のもとへ帰る」と公言しながら、太平洋戦争で特攻により戦死した天才零戦パイロット・宮部久蔵(岡田)の生きざまと、60年間封印された真実と向き合う孫の健太郎(三浦)の旅路を描いている。時代を追うごとに戦争経験者が少なくなっていくなかで、山崎監督をはじめとするスタッフ、キャスト全員が先人たちに思いをはせ、誠実に撮りあげた作品だ。
染谷は、「映画って時間と時代を扱う媒体だと思うんです。今回は現代と過去があるという設定が、すごく映画的に素敵だなと感じました」と脚本を読んだときのことを振り返る。さらに、「現代パートにしたって、今しか撮れないものじゃないですか。今しか撮れないものと、今しか撮れない過去がくっついているのがいいですよね。戦争を題材にした作品は今後減っていくかもしれませんが、技術は進歩していくと思うので、むしろやれることは増えていくと思うんです」と前向きな姿勢をうかがわせる。
山崎監督がこだわり抜いたVFXについても触れ、「『永遠の0』もCGとか、すごいですよ。だから今後も、今まで出来なかった規模のことを邦画でだって出来るかもしれないですよね」と熱い口調で話す。さらに、「本数が少なくなっても、その1本のもつ力が大きければ伝わるものがあると思いますし、僕も参加したい。減れば減るほど、1本のもつ意味が大きくなる。そうなっていけばいいなあと思います」と映画への愛をにじませた。
染谷の母方の祖父は特攻隊出身だったというが、「この作品をやると決まったときは亡くなっていたので、祖母から色々な話を聞きました。過去の資料や写真は、家から出てきたので、そういったものを見て勉強しました」。完成した作品を見て「戦争が良くないということは、日本人であれば皆さん知っていること。それを踏まえたうえで、純粋に人間ドラマをかみ締めていただきたい。あと血筋というか、家系の面白みというものがあると思うんです。時代って、地続きなんだなというのが描けている映画だと思います」と、わずかながら笑みを浮かべながら、最も映画ファンに伝えたいことを真摯な眼差(まなざ)しで語った。
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