「はじまりのみち」原恵一監督、“伝説”山田太一氏から絶賛受け「報われた」
2013年12月1日 21:05

[映画.com ニュース] 木下惠介監督の若き日を描いた「はじまりのみち」ブルーレイ&DVD発売を記念し12月1日、東京・池袋の新文芸坐でメガホンをとった原恵一監督と、木下監督に師事し助監督を務めた経験をもつ脚本家・山田太一氏がトークショーを行った。
かねて木下監督を敬愛する原監督は「僕にとって山田さんは、もうひとりの特別な存在であり、レジェンド。こうして並んでお話しするのも、おこがましい」と緊張しきり。山田氏が「見終わると、木下監督の作品が見たくなるうまい作り。見事な作品になっている」と同作を絶賛すると、「本当に信じられない。身に余る光栄です。山田さんに喜んでいただいただけで、報われた気持ち」と感無量の面持ちだった。
「二十四の瞳」「喜びも悲しみも幾年月」「楢山節考」など数々の名作を生んだ名匠・木下監督の生誕100周年記念作品。戦時中、脳溢血で倒れた母を疎開させるために2台のリヤカーに母と身の回りの品を積んで山越えをしたという実話を軸に、木下監督の青春と母子愛の物語を描き出す。加瀬亮が木下惠介、田中裕子が母親たまを演じた。
アニメーション映画「カラフル」「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」などで高い評価を受ける原監督が、自身初の実写映画に挑戦。それだけに「木下監督の特定のジャンルに固執せず、自由にいろんな作品に挑戦する姿勢にすごく刺激を受けている」と今回の“初挑戦”にも思いは格別のようだ。
これには山田氏も「1作ごとに決して自己模倣しない。パッと思いつく代表作が、ファンの皆さんそれぞれ違うというのも、木下監督のすごみだと思う」と大いにうなずき、「画面ひとつひとつを本当に大切に撮る方だった。ロングショットを多用したかと思えば、時折クローズアップを織り込むなど、とても計算されていたし、冒険的な着想もすごい」と改めて敬意を表した。
現在、新文芸坐では特集上映「木下惠介生誕100年祭 ファイナル」が開催中(12月7日まで)。「はじまりのみち」Blu-ray&DVDは12月5日発売される。
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