井浦新、過酷な富士登山の“修行”の日々も「だんだん楽しくなった」
2013年11月19日 19:45
坂井は「大森監督の作品が大好きだった」そうで、撮影現場を「人間が好きで、お芝居が好きで、役者のこともスタッフのことも信頼してくれる良い現場でした」と振り返る。井浦は「さよなら渓谷」に続く大森監督作となったが、「監督はモニターなど気にせず、いつもカメラの横で芝居を見届け、一緒に芝居をしてくれる」と全幅の信頼を寄せる。
ストーリーは、それぞれに過去を抱え、許しを求めるかのように富士登山に臨む者たちの罪と罰を厳かな自然を背景に描く。坂井は「一線を越えてしまう母親ということで、監督に『(罪を犯したのは)何ででしょうか?』と聞いたら、『理由なんてないんだよ。“衝動的”という言葉でも片づけられないようなもっと違うことなんだよ』とおっしゃっていただき、そのひと言で前に進めました」と語る。
井浦は「抱えている罪を大げさにせず、抱え込んでいることを消しつつ、でもしっかりととらわれている。背負っているものを見せないようにして表さなくてはいけない、なかなか出合わない役で難しかったです。でもそこが一番楽しかった」と述懐する。大森監督は、「2人ともものすごく強い意志を持っている。どういう方向に進むかを明確に持っているから、安心して撮影に臨めた」と称えた。
撮影は世界遺産登録決定後、初めてのドラマ撮影として富士山でも行われた。台風が直撃したというが、井浦は「いい経験でした。登って下りての繰り返しで、何の修行をしているのか? という感じなんですが、それがだんだん楽しくなっていった」と笑みを浮かべた。一方の坂井は、「ものすごい風が吹いたことがあって、『自分の身は自分で守らなきゃ!』という感じで……。自然の怖さを感じました」と明かした。
「かなたの子」は、WOWOW 連続ドラマWで12月1日から放送(全4話/第1話無料放送)。