三池崇史監督&伊勢谷友介、利休を演じた市川海老蔵を絶賛「規格外」
2013年10月24日 21:19
[映画.com ニュース] 三池崇史監督が主催する上映イベント「三池崇史 presents 大人だけの空間」が10月24日、東京・六本木のビルボードライブ東京で行われ、三池監督と「利休にたずねよ」(田中光敏監督)で織田信長役を演じる伊勢谷友介がトークショーに出席した。
第140回直木賞を受賞した作家・山本兼一氏による同名小説を、歌舞伎俳優・市川海老蔵主演で映画化。歴代の戦国大名に認められ、天下一の茶人として名を馳せた利休が、やがて秀吉に疎まれ切腹を命じられるまでの謎に満ちた人生を、ある女性との秘められた恋を通じて描き出す。中谷美紀が利休の妻・宗恩、大森南朋が秀吉に扮する。
「出口のない海」(06)でも海老蔵と共演した伊勢谷は、「とても人懐っこい人で、僕が楽屋にいると必ず来る。現場でもいつも真ん中にいる」と人となりを明かしながら、共演シーンでは「所作がきちっとしているのでそこで圧倒してくれた。海老蔵自身は、世にイメージされている利休像とはかけ離れた性格だけど、そのいちもつを隠して利休を演じている感じが、うまく利休の奥ゆかしさにつながったんじゃないか」と分析。三池監督も、「非常に真面目に利休と向き合っている作品。僕らが知っている市川海老蔵とはまた違う美しさがある。規格外の男たちを描いた映画で、演じている男たちも規格外。穏やかな映画だけどある意味挑戦的で、とても映画らしい映画」と称えた。
三池監督作「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」「十三人の刺客」に出演した伊勢谷は、本作で“美を追求する織田信長”像を作り上げ、「お茶の世界って、葉っぱを乾かして粉々にしたものをただ飲んでいるだけ。そこに美を見出せるってすごく格好いいと思う。このタイミングで日本の美意識を世界に発信できたのはとてもうれしいこと」。実業家としてもさまざまな方面で手腕を発揮しているが、「利休は自分の意識で人生を変えられた人。2020年の東京オリンピックの時、自分は44歳。オリンピックの開会式と閉会式、ぜひやらせてもらいたい!」と新たな意欲を燃やしていた。
逝去した父・市川團十郎さん(12代目)と海老蔵の“最初で最後の共演”も話題を集めているが、三池監督は、「2人の共演シーンだけでも見る価値がある。團十郎さんはもうこの世にいないけれど、映画の中で生きている。永々にフィルムに残る。それだけで充分に価値があるんだって、ブルース・リー以来に感じさせてくれた人」と惜しみない賛辞をおくった。
「利休にたずねよ」は、12月7日から全国で公開。