ジュノ・マック&清水崇、笑いを消した異色キョンシーホラーに自信
2013年10月23日 16:30

[映画.com ニュース] 香港で活躍する歌手で俳優のジュノ・マックの監督デビュー作で、「呪怨」をはじめとしたジャパニーズホラーの名手、清水崇がプロデュースした「リゴル・モルティス 死後硬直」が、第26回東京国際映画祭「アジアの未来」部門で正式上映された。映画祭にあわせ来日したマックが、清水とともに同作について語った。
多様なフィールドで才能を発揮してきたマックは、かねて映画製作への強い思いを抱いていた。「純粋なホラー映画を撮ろうという気持ちはなかった」そうだが、香港映画「霊幻道士」(1985)に代表される中国の妖怪キョンシーを題材に、ホラーと人間ドラマを融合させた独自の世界観を構築。コミカルなコメディ要素がふんだんに盛り込まれていた「霊幻道士」とは対照的に、「忘却」をテーマに、シリアスに仕上げた意欲作だ。
キョンシーといえば「霊幻道士」のイメージが強いが、清水は「笑いの要素が一切なく、ドラマ中心」という異なる印象を持ったという。「1980年代のキョンシーものを知っている人は、『怖いけれど笑える』という印象があると思うので、その笑いをなくすってすごい挑戦だと思ったんです。ジュノの映像はまったく新しいものになっていて、オリジナリティがあって感心しました。僕がキョンシーという題材を与えられても、こういう風につくれなかったと思う」。マックが「キョンシーは、クラシックな象徴で伝説化しているもの。アイデアはそこに由来したとしても、僕のバージョンの新しいストーリーを作りたいと思いました。だからリメイクではない」と思いの丈を語ると、「リメイクだったら僕は賛同していないし、プロデュースは断っていると思う」と信頼を寄せた。

清水は編集からの途中参加となったが、映画監督としての観点をいかし「ジュノがどこにこだわりを持っていて、どこを切るべきなのか」を引き出した。作品の長さを調整する必要性を意識しながらも、「監督の思いが勝つこともあるし、お客さんに見てもらえて何が正解だったのか見えてくる。どこを大事にすべきかという点で、僕はジュノの味方をしたかった」。「呪怨(2003)」を「THE JUON 呪怨」(2004)としてハリウッドリメイクした自らの体験を振り返り、「サム・ライミがプロデューサーという立場でありながら、クリエイター的視点で唯一僕の味方をしてくれた」と、かつて自分を支えてくれたライミと同様に、マックが重きを置くドラマ性を引き立てるアドバイスを行った。
清水といえば、「呪怨(2003)」に登場する伽椰子の恐ろしい声を演じていることでも知られるが、今回も音響編集で新たな音を作り出した。ふたりの声を組み合わせドアの音にするなど、ユニークな発想で「『呪怨』のときにこんなことをやったとか、こんなことをやってみたら面白いかもということを話しました。風の中に女の人の叫び声を混ぜると面白いよとか(笑)」と楽しみながら、マックとスタジオ作業に取り組んだ。
国や世代を異にするふたりは、どのような刺激を与え合ったのか。「ジュノは、キョンシーというすでにイメージがあるものを、違った解読の仕方で別の映画にするという挑戦を初監督でやっている。頑張らなきゃと思いました。僕も最初がホラーだったので、世界中でホラーのイメージしか持たれていないんです。イメージは作品によって一人歩きするので、自分で引き戻して違う方向に持っていく力を持った作品に挑戦していかなきゃいけないと強く感じました。でも、ホラーのイメージがなかったら、ジュノは僕を呼んでくれなかったかも(笑)」。そんな清水の言葉を受け、マックは「清水さんにはホラー監督という以上のものを見ています。はじめて一緒に働いた経験は、役者ではなく監督としての僕を支えてくださるものでしたが、次はぜひ俳優として清水さんとご一緒したいです。ホラーではないもので(笑)!」
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