4年ぶり来日の名匠トルナトーレ、好きな日本語は覚えたての“おもてなし”
2013年10月22日 21:30

[映画.com ニュース] 「ニュー・シネマ・パラダイス」の名匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督が10月22日、ジェフリー・ラッシュを主演に迎えた新作ミステリー「鑑定士と顔のない依頼人」を引っさげ、来日。東京・六本木ヒルズで開催中の第26回東京国際映画祭で、特別招待作品として正式上映された同作の舞台挨拶に立った。トルナトーレ監督が来日するのは、「シチリア!シチリア!」を出品した2009年の同映画祭以来、約4年ぶりとなった。
天才的な老オークショナーが、姿を隠したミステリアスな女性に翻ろうされ、不可解な謎に巻き込まれていく。トルナトーレ作品には欠かせないエンニオ・モリコーネが音楽を担当し、イタリアのアカデミー賞と称されるダビッド・ディ・ドナテッロ賞で作品賞、監督賞、音楽賞をはじめ6部門を制覇した。
トルナトーレ監督は、ラッシュを念頭において脚本を執筆したそうで「最初からふたりの俳優にあて書きしていましたが、想像しながら書いているうち、最終的にジェフリー・ラッシュに絞られました。台本を送ってから1週間ほどで返事がきて、簡単でうれしい出会いになりました」と述懐。初タッグながら「いつまでも一緒に仕事をしていたいと思わせる俳優」と賛辞を送り、「仕事を愛して、勇気を持って何も考えずに役に飛び込んでいける。厳しく真面目だけれど、遊びの気持ちを持っていて、仕事をしているのが楽しい俳優」と全幅の信頼を寄せた。
本作は、全編通してトルナトーレ流の仕掛けが潜んでいるが、結末については「見た人のそのときの気分次第で変わると思うんです。高くついたけれど、最終的に愛を知ることがきでました。愛を信じる人は勝利だと思うでしょうし、信じない人は暗いエンディングだと感じるかもしれませんが、私に幸せな終わりだと思います」とニッコリ。そして、「偽りの中にもかならず真実がある。主人公が最終的に愛を知る話なのです」と観客に訴えかけた。
舞台挨拶中、笑顔のたえなかったトルナトーレ監督。日本に到着したばかりだったが、時間を見て日本語の勉強をしたことを明かし、好きな日本語を問われると「今朝、時間があったので『おもてなし』を覚えました」と日本のファンを喜ばせた。
「鑑定士と顔のない依頼人」は、12月13日から全国で公開。
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