アンゲロプロス遺作上映に夫人&娘が涙の舞台挨拶「テオがここにいるような気がする」
2013年10月21日 20:21

[映画.com ニュース] 東京・六本木ヒルズで開催中の第26回東京国際映画祭特別招待作品「エレニの帰郷」が10月21日上映され、故テオ・アンゲロプロス監督夫人でプロデューサーのフィービー・エコノモプロス、監督の娘でプロダクション・コーディネイターのアンナ・アンゲロプロス、日本語字幕を担当した作家の池澤夏樹氏が舞台挨拶を行った。
フィービーは「主人のテオがここにいるような気がします。主人はかつて日本の観客を大変愛していたので、きっとこの場にいることでしょう。そして主人と共にこの映画を楽しんでいただけることを願っています」涙を浮かべながら挨拶。「主人はかつて日本の観客ほど自分の作品を理解してくれる観客はいないと言っていました。日本の観客が歴史を理解していたから、主人の映画の独特のタイミングを愛して下さったのかもしれません。日本の観客と主人との関係がこれからも長く続くこと、お互いが愛し合う関係が続くことを願っています」と力を込めて語った。
アンナは「なにも終わることはない」という一節からはじまるアンゲロプロス監督の言葉を紹介し、「カナダとアメリカの国境のシーンを父と相談したところ、オリンピックで使われたアテネ北部のある場所を使いました。大変霧の深い場所で、国境のように大変身したのです。今度2020年に東京でオリンピックが行われることを知って、そのことを思い出しました」と本作での監督との撮影の思い出を振り返った。
「徹底して知的な人でした。話題のひとつひとつが議論になるような、私にとって意味の深い付き合いをしてきました」と監督の人となりを明かした池澤氏は、「『旅芸人の記録』から13本、全部僕がやってきて、テオ以外の人の字幕製作はやったことがない、テオ専属の字幕製作者でした。テオにとって日本の観客は大変大事だったと思います。『旅芸人の記録』は難解な3時間52分でしたが、素晴らしい観客の数でした。それ以来、我々は彼の映画を愛してきて、そんな我々であることを僕は誇りに思っています」と語り、「テオの新作はもうありません、もうおしまいです。それを心に留めて見てください」と観客に呼びかけた。
昨年交通事故で死去したギリシャの巨匠テオ・アンゲロプロス監督の遺作。「エレニの旅」(2004)から始まった20世紀を題材とした3部作の第2部で、男女3人の半世紀にわたる愛の叙事詩。
第26回東京国際映画祭は10月25日まで開催。「エレニの帰郷」は2014年1月公開。
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