京都古民家で暮らす英国人を映したドキュメンタリーが大ヒット ベニシアさん親子が舞台挨拶
2013年9月22日 09:30
[映画.com ニュース]英国貴族の家庭に生まれるも、現在は京都大原で築100年の古民家に暮らすベニシア・スタンリー・スミスさんを追ったドキュメンタリー映画「ベニシアさんの四季の庭」(菅原和彦監督)の舞台挨拶が9月15日にシネスイッチ銀座で開催され、ベニシアさんと息子の悠仁くんが登壇した。
NHK放送番組「猫のしっぽ カエルの手」や、書籍、各地の展覧会などでその自然と調和したライフスタイルが取り上げられ、女性を中心に絶大な人気を得てきたベニシアさんの初の映画で、これまであまり明かされていなかった波乱の人生にも焦点を当てている。本年度の劇場記録を塗り替える初日動員数を記録し、満席が続くなど大ヒットしている。
台風という悪天候にもかかわらず、この日の会場は満席。ベニシアさんは観客に向け「みんな愛がほしいと思うのね。でも愛はあげるもの。もらうものではないんです。なんで私は愛されないの? と嘆くのではなく、自分から愛を与えてあげればいいの。若い人だったら、いつか結婚したいと思うはずよね。結婚する前に色んな人の目を見て、目と目が通じ合ったら恋をしますね。でも年を取るとそうではなくなる。インドの先生に教えてもらったんだけど、人の美しさは遠くから見るべきなんです。(目の前の美しさに囚われるのではなく)その人を遠くから見て好きになれるかどうかが大切」とメッセージを寄せた。
映画には出てこなかった「禅」について問われたベニシアさんは、インドに行った際に学んだ“呼吸”が禅に似ていると感じたと話す。「インドで6カ月毎朝早起きしてめい想していたら、すごく色んなことを自覚して、その後は日本へ行きたいと思うようになりました。それは鈴木大拙の本を読んでいたからなんです。だから日本に来たら、みんな禅をやっていると思ってたんですよ」。そして、「インドの先生に聞いたのですが、ゆっくり呼吸をすると長生きできるそうなんです。例えばネズミの呼吸は『ハッハッハ』と早い。ネズミは長生きしない生き物なんですけど、象さんの呼吸はとてもゆっくり。象さんは長生きする動物なんですよ。だからイライラしたり、気分が落ち込んだりした時は、どこかに座ってゆっくり呼吸してみてください」とアドバイスした。
映画「ベニシアさんの四季の庭」はシネスイッチ銀座ほか全国で公開中。